PFCS SS劇場!

パラレルファクター カルティベイトサーバーのSSをまとめるブログです。主にツイッターでのやり取りを纏めます!

【アイラヴ祭】きくりのライブ

 唸り響き、はしゃぎ暴れて 雪溶かし、真夏の如く、 疲れ飛ばして もっともっともっと!
 最高の舞台は 暴走 アクセル踏み鳴らして 限界超えて先に行け GO!GO!GO!
 
 甘える暇があるなら踊ろう 人生はずっと曲の鳴るライブ 
 共に揺らせ 臨海突破 それこそがダンス!!
 
 きくりが手を振りかざすたびに、風はエフェクトを描き続ける。近くに寄った鳥たちも、散歩していた犬や猫も、楽しそうに一緒に歌う。
 満面の笑みで全身を、思うがままに動かし続け、はしゃいで歌うきくりの姿に観客はあこがれる。いつか、少年少女だった頃、あんなに笑顔で遊んだことが誰しもあった。童心に返りたい、そう思った時には既に、誰もがあの頃の純粋な眼差しで、きくりと共に遊びたいと、心が訴えだしていた。
 みな、仕事があり、学校があり、生活があり、家族がある。常識とルールの中で自由に生きているつもりでも、俯瞰してみれば檻の中。ラジオに繋がれた首輪をつけて、それでも枠の中で精一杯満足しようと妥協する道を選んでしまう、それは致し方のないことだろう。
 こうしてアイドルを応援しにライブを観に来ていたとしても、それは大人の視点であり、彼らの頭に浮かぶ明日のこと、これからのこと、それらが行動をセーブする。限界までは遊べない、それこそ大人の現実だ。
 
 だが、あの子を見るとどうしてこんなにもわくわくしてくるのだろう。
 壁なんて最初から無かったじゃないか。毎日倒れるまで遊んで帰ってきたあの頃も、次の日にはまた更に元気よく遊んでいたじゃないか。あの頃の自分は、全てが可能性に満ちていたじゃないか。
 年齢を重ねたから、大人になったからできなくなったんじゃない。勝手に自分が殻に籠っていたんじゃないか。
 想いはダムが崩壊したように、井戸から空の青さを知ったカエルのように、夢は、いつ、どこからでも叶うのだと、そう子供のころはずっとそう信じていたじゃないか。
 
 あの頃に戻ろう。夢を見よう。
 観客は、檻を跨いで、一歩先へと踏み出していった。
 
 ━━━もっともっと、遊ぼーよ!あしたも、あさっても、ずっとずっと遊びたい!まだまだ、ぜんぜん遊び足りない。だってさ、だってさ、みんなとうたうと、こーんなに毎日楽しいんだもん!
 
 天帝セブン最年少、白玉きくりの全力のライブは、言葉通り、夢と希望に満ちていた。
 長く、長く、時間が過ぎるその時まで、一度もペースダウンすることもなく、歌えば歌うほど、踊れば踊るほどもっとはしゃぐその姿。観客にとっての明日が、ごく普通の日常であっても、前へ、先へ、休むことなく歩けるだろう。
 
 ━━━カラスがないたらかえりましょ!あしたもきっと、たのしいことがいっぱいあるから!だから、今日はおわかれ。またあそぼーね!ばいばーい!!
 
 無限に続くかと思えたライブも、時間が来てしまえばあっけなく終わる。だが、観客はそれでも嬉しかった。きくりが元気に帰って行けば、明日もきっと楽しいと思えるだろう。そう考えるだけで憂鬱だった明日が楽しみになってくる。
 そうだ。最初から人生は、自分の遊び場だったのだ。
 
 きくりが天帝である所以。それは、人々を元気に……ただ、ひたすら元気にできることだ。
 海を越え、インターネットを渡り、世界中がきくりに注目し続けた。そしてその数だけ、人々に元気を与え続けていた。
 歌えば歌うほど、踊れば踊るほど、限界なんて全く無いぞと言わんばかりに元気になっていく姿。
 ファンは、きくりをこう呼んだ。
 
 バーサーカー、白玉きくり。
 
 彼女は無尽蔵の元気を持った、太陽のようなアイドルである。