PFCS SS劇場!

パラレルファクター カルティベイトサーバーのSSをまとめるブログです。主にツイッターでのやり取りを纏めます!

背中を預ける

「凄惨な有り様だな、アマゾネス」


「……我らを愚弄する気か、鬼畜共」


「不要な問いだ。窮鼠猫を噛む、と言ってな。この状況であっても死をもって一人仕留める事くらい、『戦女』にとってはわけもない事だろう。逆撫でしに来た訳ではない」


「説得力の欠片も感じぬ。だが死の前の気まぐれだ、あえて挑発に乗ってやろう。何の用だ男」


「用という程のものでもない。今は戦時中、武器は少しでも多い方がよかろう」


「火事場泥棒か。卑しいな、歴史も浅い外れものの小国に相応しい姿だ、汚らわしい。貴様達には誇りはないのか」


「誇りで民が救えるか。ならば、何故そのようなところで息絶えようとしている」


「愚問。我々アマゾネスにとっての死とは武と共に生きた魂の昇華だ。生にしがみつく貴様達とは違う」


「ほう、受け入れるというのか、この争いを」


「誇りも持たず死者の未練を漁る貴様に何がわかる!!」


「……アマゾネス。そなたは三つ勘違いをしている」


「何……!?」


「ひとつ。私は誇りを捨てた訳ではない。だがエゴは捨てている。成すべきは成さなくてはならん。故に、勝つ為の手段の一つとして戦地に赴いている」


「嘘をつけ!貴様の言葉からは説得力が感じられない!」


「それはそなたとて同じことだ」


「どういうことだ……!」


「アマゾネスとして死ぬことに異論はなかろう。だが、この有り様、この結果に納得しているとでも?」


「そ、それは……」


「『精一杯戦ったから満足だ』と、誇りの為に敗北を認めているのか?」


「だ、だまれ!!だまれ!!」


「いかに結果を受け入れていても、その過程は別であろう。全力を封じられ、卑劣な戦法で追い詰められ、歴史を踏みにじられた上で、残された道は死しかない。それこそ、誇りを捨てていることと何が違う。アマゾネスとはどんな事があろうと死ねば満足するとでもいうのか?」


「貴様……!!貴様!!」


「ふたつ」


「……」


「私は、死者の墓を荒らすつもりはない。戦地に残された遺品は、騎士の名に誓って持ち帰るつもりはない」


「では……では何をしに来た!!我々を笑いに来たとでも言うのか!!貴様!!」


「……三つ。私は先程から、そなた達を貶してなどいない」


「な……何を今さら!!」


「これを」


「何……?これは、貴様の剣だろう……」


「私には秀でた力がない。剣など、護身用としても意味をなさない。故に私は武器が欲しい。自分しか守れぬような弱い武器ではなく、背中を預け共に戦える気高きアマゾネスのような、真に強い武器だ」


「……何を、企んでいる。お前の目的はなんだ」


「この国の、この大陸を統べる『王』になること」


「酔狂な。断る、と言ったら?」


「その剣と共に、我が首を持っていけ」


「……馬鹿な!!なぜ敵にそこまで!!貴様は我々と誇りをかけて戦った訳ではないだろう!!命をなんだと思っているのだ!!」


「……」


「答えろ狂人!!貴様なぜ!!」

 

 


「これしか道は無いからだ」

 

 

「……無駄死にするぞ」


「それはまだわからんだろう」


「解せないな。死を受け入れて待つだけの人間に説教を始めたかと思えば、自殺志願者のような真似をする。死ぬ気など毛頭ない癖にな」


「当然だ。私にも『誇り』がある」


「そうか。……ならば、この剣は受けとれん。私にも、アマゾネスとしての誇りがあるからな。別の者に託せ」


「……そうか。残念だ」

 


「隙あり!!」


バシュン!!


「うお!!危ない!!」


「ははは、アマゾネスに戦地で背中を向けるな。我々の誇りは『弓』だ!『剣』ではない!!二度と間違えるな!!次は外さんからな!!」


「……あ、あぁ、これは失敬した……」


「貴様、名はなんという」


「ガーナ・シュトロイゼル。そなたは」


エリーゼ。姓は無い。その背中、我が弓が預かろう。貴様が王に相応しく無いと感じた時、アマゾネスの誇りを持って私が射ぬかせてもらう」


「お、おい、感謝の言葉もないのだが、私は協力者に常に狙われなきゃならんのか……」


「王とはそういうものだろう。その場合、首はいらんが心臓はもらうぞガーナ王。ふふ……」


「あ、あぁ。やむを得ん……。よろしく頼む、エリーゼ