PFCS SS劇場!

パラレルファクター カルティベイトサーバーのSSをまとめるブログです。主にツイッターでのやり取りを纏めます!

トリコデルマの社交界デビュー

ジェリー「あら、トリコデルマさん。わたくしに何かご用?」


トリコデルマ「はい、その……あまり他の方に相談できないことでして……。良ければ教えていただきたくて……」


ジェリー「えぇ、わたくしで良ければよろこんでお聞きしますわ。遠慮なくおっしゃって良いのよ?どうしましたの?」


トリコデルマ「その、僕もそれなりの年齢になりまして、フリカッセの名に恥じぬよう紳士としての勉強をしているのですが……」


ジェリー「トリコデルマさんも貴族ですものね。名家を重んじて自ら学ぶ姿勢は紳士の証ですわ」


トリコデルマ「そ、そんな……僕なんてまだまだ……そ、それでですね、実はどうしても一人では理解しがたい問題があって……あの、こんなこと頼むのなんて大変失礼であることはわかっているのですが……そのぉ……」


ジェリー「?なんでも構いませんわ、気兼ねなくおっしゃって?」


トリコデルマ「は、はい、えと…………や、やっぱりすみません、大丈夫です!ごめんなさい、なんだか意味深なことを言ってしまって……」


ジェリー「……あら、そうですの?気になさらなくて良いですのに……」


トリコデルマ「い、いえ……やはりその……紳士たるもの自分でなんとかするべきでした……申し訳ございません……」


ジェリー「……(年頃の殿方……一人では解決できない問題……ご家族は頼れない……ガーナ様、ロクショウ公爵でもなく、わたくしへの相談……読めましたわ!)」


トリコデルマ「あの、マm……ジェリーさん……?」


ジェリー「もしかして、『お相手』のことかしら?」


トリコデルマ「!?な、なぜそれを!?」


ジェリー「ふふ、淑女たるもの、殿方の悩みは見逃さなくてよ?そうね、アルテルナリアさんはお身体が心配ですし、バクセラさんはふわふわしておりますものね。それでしたらふつつかものですけれど、わたくしでよければお相手致します」


トリコデルマ「ほ、本当ですか!?ありがとうございます!!いつか夜会に出ることを考えるとどうしても不安で……」


ジェリー「それでしたら、わたくしも支度をしなくてはいけませんわ。明日の夜、正装でお城のホールでもよろしくて?」


トリコデルマ「せ、正装ですか?そ、そうですか……なんだか緊張してきました……」


ジェリー「殿方でしたら、シャキッとなさい?女性を誘うのですからね、何事も経験ですわ」


トリコデルマ「は、はい、それでは……お相手をよろしくお願いします……(貴族は練習でも正装するのか……なるほど……)」

 

 

 ***

 


エリーゼ「舞踏会?えぇ、随分と急ですけれど、お話すれば集まると思いますよ。開くのであれば私も海外のお友だちをお誘いしようかしら」


ジェリー「えぇ、急で申し訳ございませんわ。毎度感謝していますことよ」


エリーゼ「いいのよ、貴女の提案はとても有意義ですから。フリカッセとの交流も深める良い機会です。是非やりましょう!ところで、その理由でしたらデビュタントの方がよかったと思うのだけど…」


ジェリー「いいえ、こういうものは慣れですの。問題ないと判断しての決断でしてよ。第一わたくし、殿方に『正式に』アプローチを頂いたのですから、真剣にお応えしなくては淑女の名折れですわ!」


エリーゼ「ふふふ、意地悪と優しさの間ね。まぁトリコデルマさんの呪詛を考えるとベストかも知れないわね。それでは、明日の夜にまた……」


ジェリー「えぇ、ごきげんよう!」

 

 

***

 

 

トリコデルマ「貴族は練習でも手を抜かないんだなぁ……見習わなくては……」


ガーナ「む?トリコデルマ殿ではないか。君も参加されるとは、フリカッセの貴族意識のレベルの高さには驚かされる」


トリコデルマ「が、ガーナ陛下!!お久しぶりですっ!!」


ガーナ「なに、そう畏まるな。毎度の決まり文句だが、私はもう王ではない。ところで、ドアの前で何をうろうろなさっている?」


トリコデルマ「は、はい……恐縮ながら本日、ジェリー婦人にダンスの練習にお付き合いいただくお約束がありまして……」


ガーナ「ダンスの……練習とな。ふむ……それは少し妙だ」


トリコデルマ「み、妙とは……」


ガーナ「トリコデルマ殿、貴殿はその約束、確かに『練習』と言ったかな?」


トリコデルマ「え、えっと……多分……あれ?」


ガーナ「……はっはっは、そう言うことか!なるほど、随分急な話とは思っていたが辻褄があった。してやられたな、トリコデルマ殿」


トリコデルマ「し、してやられた!?それは一体どういうことでしょうか陛下!?僕が何か……」


ガーナ「ドレスタニアの貴族の淑女たちは、ダンスの誘いを申し込まれることが大きなステータスになるしきたりがあってな。申し込まれるだけ深い仲の者と接点があり、その相手が若ければ若いほど他の婦人たちと差をつけられるというわけだ」


トリコデルマ「はぁ……そ、それが一体、どう僕に関係が……」


ガーナ「誠にお気の毒だがトリコデルマ殿。今日は『ジェリー婦人による舞踏会』の日だ。つまり、貴殿は『本番の相手』だろう」


トリコデルマ「え……え!?!?ほ、本番!?だ、ダンスなんて一度も踊ったことないです!!みんなの前でなんて、とても無理です僕!!で、できません、ジェリーさんに恥をかかせてしまいますよぉ!!」


ガーナ「トリコデルマ殿。君も貴族であるならば男らしく覚悟を決めたまえ。どちらにせよ、こうなってしまった以上最大の無礼は約束を反故にすることだ。なに、そう難しい事でもない」


トリコデルマ「し、しかし……」


ガーナ「駄々をこねても始まらん。ほら、行くぞ。男だろう」


トリコデルマ「あ、ま、待って!!まだ心の準備が……」

 


『あ!来ましたわ!!』『あれがかのフリカッセの!?』『ガーナ陛下と並んでおりますわ!』『か、可愛すぎませんこと!?』『ジェリーさん、抜け目ありませんわ……!』『萌えですわ!萌え!!』『つ、次の即売会のネタが確定しましたわ!!』ワーワーキャーキャー


トリコデルマ「わ……わ……す、凄い見られてる……」


ガーナ「それでは楽しみたまえよ。私は遠くで観ていよう」


トリコデルマ「ま、待ってください陛下ぁ!!一人にしないでくださいぃ!ー」


ガーナ「何を言う、前を向きたまえ。一人ではない」


トリコデルマ「へ?」


ジェリー「ごきげんよう、トリコデルマさん」


トリコデルマ「ジェリーさん!!ど、ドレス姿……!!」


ジェリー「えぇ、似合っていますかしら……」


トリコデルマ「そそ、それはもう!!直視できないくらいにっ!!」


ジェリー「ふふ、落ち着いて。慌てなくても大丈夫」


『おねショタ……!!おねショタですわよ!!』『ちょっと危険な歳の差ではなくて!?』『嫉妬していらっしゃるの?シワが増えますわよ?』『当たり前ですわ!爆発なさいませ!!』『た、タニカワよりは若いのじゃ!』


トリコデルマ「お、落ち着こうにもみんな観てます……!!だ、ダメですジェリーさん、僕……!」


ジェリー「トリコデルマさん」ジッ


トリコデルマ「なっ何を……」

 

 


ジェリー「今は周りではなく……わたくしだけをみて……?」

 

 


トリコデルマ「は……………はい…………」

 

 

 

『堕ちましたわ』『堕ちましたわね』『やりやがりましたわね』『確定ですわ』『淑女じゃ済みませんわ』『事案ですことよ』『なるほどその手が…なのじゃ……』


ジェリー「腰に手を回して。そう、手は優しく添える。……曲に合わせて、ゆっくり……」


トリコデルマ「こ、こうですか……?」


ジェリー「顔はこっちよ。恥ずかしがらないで」


トリコデルマ「は……はい……」


ジェリー「もっとこっちにきて……?」


トリコデルマ「はわわ、は、はいぃ……」

 

 

…………

 

 

 

トリコデルマ「は、はぁ……やっと終わった……心臓が……心臓が……」


ジェリー「お隣失礼しますわ、トリコデルマさん」


トリコデルマ「わぁ!!じぇ、ジェリーさん!!そそそ、その!!」


ジェリー「ふふ、落ち着いて。殿方なら、女性の前で慌ててはいけませんことよ?」


トリコデルマ「し、しかしですね……。今日はその、あまりにも……緊張してしまって……」


ジェリー「舞踏会とはそういうもの。慣れはあっても、心を許した相手とのダンスは必ず緊張します。いえ、しなくてはなりませんわ」


トリコデルマ「ジェ、ジェリーさんも緊張したのでしょうか?」


ジェリー「もちろん。ですけれど、それ以上に楽しいダンスができました。トリコデルマさんは、今日は楽しめました?」


トリコデルマ「……本当のところ、よくわかりません。余裕が無かったので……。で、でも!!」


ジェリー「でも?」


トリコデルマ「う……嬉しかったです、とても……」


ジェリー「……それは良かった。それなら、社交界デビューは大成功ですわね!」


トリコデルマ「そ、そうでしょうか……これで良いのでしょうか……」


ジェリー「もちろん。だって舞踏会は、『相手を喜ばせること』が大切なのですから。私も、嬉しかったですわ、お誘いをいただいて……」


トリコデルマ「……あ、あの!」


ジェリー「はい、なにかしら?」


トリコデルマ「……またいずれ一緒に、僕と踊ってくれますか……?」


ジェリー「それは、『練習相手』として?」


トリコデルマ「……」


ジェリー「……」


トリコデルマ「練習は、もう必要ありません。ジェリーさんが教えてくれましたから!ですから……」


ジェリー「……ですから?」


トリコデルマ「……正式に『お相手』として、踊ってくれませんか……!」


ジェリー「……えぇ、もちろん。よろこんで!」


トリコデルマ「えへへ……ありがとう、ジェリーさん……」


ジェリー「ふふ……こちらこそ、トリコデルマさん……」