PFCS SS劇場!

パラレルファクター カルティベイトサーバーのSSをまとめるブログです。主にツイッターでのやり取りを纏めます!

フリカッセでの会食【サターニアのルーツ】

レイリ「だから、レイリはサターニアの歴史知らない。レイリだけなら構わない。しかし、モカに伝えなくてはならない。親の役目。知らなくてはならない!」


ガーナ「すまない、彼女は母性の覚醒しつつある乙浪だ。同胞の生き残りが発見されて以降、少々焦りを隠せぬ状態なのだ」


レイリ「……また興奮してしまった。反省する……」


アスペルギルス「何をかしこまる事があろうか。ガーナ王よ、我はこのように思うのだ。感情や欲望は制御する必要は無いのだと。例えそれが大地を焼き、人々を畏れに震わせる超常的かつ強大な力であろうとも、その者は力を解放する自由がある。もって生まれた己の力を存分に振るうことは、どの立場の者であれ当然の権利であろう。重視することは抑制ではない。我慢ではないのだ。真に向き合わなくてはならぬ事とは、その力に『呑み込まれぬ』よう、自我を、理性を、己を保つことにある。力の解放は本能。そう、例え女性が感情を爆発させようとも、そこに己があればそれでよい。いや、そうあるべきなのだ。時として感情により救われる者もあろう。感情によって解決する問題もあろうぞ。そも、ご婦人は強き志をもってこの敵国の王同士が向かい合う責任の重圧のしかからん会食に参加したのであれば、紛れもなくそれは子を想うが故の感情が成した功績ではないか。素晴らしき決意、称賛すべき偉業であろう!このアスペルギルス、涙で視界が良く見えん程よ!!」


ガーナ「むぅ……長話にうんざりしてみせたいが芯に来る演説故に遮れん複雑な気分だ……」


ロクショウ「アスペルギルスは実に物分かりの良い子じゃぞガーナ君。話は長いがのう、じきに慣れよう」


レイリ「すまない。レイリは言葉をあまり知らない。わからないところがあると思う」


エリーゼ「代わりに我々がなんとかしっかり聞くわ。何度でも聞けるように。安心して、レイリさん」


レイリ「助かる……。同席できて良かった。サターニアのこと、教えてほしい」


ガーナ「長くなっても構わん。知る限りの事を出来るだけ教えて頂きたい。人間の歴史は戦場続きでやはり情報に欠けているのだ」


アスペルギルス「良し。僭越ながら我の口から我が国におけるサターニアのルーツについて解説してしんぜよう。現在のサターニアに見られる人ならざる姿は、『適応』の呪詛を使いこなしてきた原初のサターニアの特異能力によるものだと伝えられている。我々の人外なりし異端極まりないこの身体は元よりあったものではない。元は人型、つまりは他種族と同じく平凡な姿であったのだ。ここからは一度妖怪の説明を挟ませていただくが、この国では妖怪は他種と比べても脆弱極まりなく、与えられた呪詛とて大したものではなかった。精霊という種族には信仰によって得られる『加護』なる力を授かるというが、我々妖怪はその加護とは真逆の『呪詛』をその身にかけられる。単純に、呪詛は『デメリット』のことだ。よって我々はこの絶対的に代えられぬ運命の呪いを背負いながら無難に生きるか、呪いを己の者と受け入れ世界に『適応』するかという選択を迫られた。そして、我らサターニアの祖は自身に宿る『食するものの性質を我が身に反映する呪詛』を用いて、その身体を変幻自在に組み替えながらより強く適応するよう進化してきたのだ。そして現在宿りし呪詛は『変身』である。ご婦人はモスサターニアとしてその身を美しきヤママユガへ。我は神代における守護生物のガーゴイルへと変身ができる。しかしながら問題も多い。時代によって我々は生きやすい環境が人と全く違うものとなってしまった。サラマンダーサターニアはその身体を潤し続けるため沼地にしか住めず、モスサターニアは樹木の成長が乏しい場所で子を産めない。それぞれの個体に弱点もある。このアスペルギルスに限っては弱点などないが、つまりサターニアとは『環境依存の種族』なのである。これが、サターニアのルーツ。ご婦人の種の存続をかけて動くのであるならば、それなりの環境を維持せねばならぬであろう」


ガーナ「ふむ……。環境の構築にはやはり森が必要か。しかしベリエラの生物はレイリのご両親を襲う程獰猛なままだ。相性が悪いというべきか……。打つ手だてはあるが、ダイズリー卿を説得するのはまた骨がおれそうだ……」


レイリ「レイリは負けない。モカのため、頑張る!!」


アスペルギルス「説得のあかつきには我も協力しようぞ!!なに、誠心誠意ぶつかり解決しない事などはそうそうn」


エリーゼ「あ、むしろ不味いと思いますからお気持ちだけで結構です。それはそれとして、大変貴重なお話を拝聴致しました。ありがとう、アスペルギルス様」


アスペルギルス「ヌワハハハ!!何、いつでもどんなことでも聞いて下され!!我は語らせれば止まらぬことで定評があるのだ!!24時間語り続けることも構わん!!フハハハハ!!!語ると言えば、フリカッセ北部に置かれている『語る岩』はご存じかな?そう、あれは今から数百年も昔、精霊の吟遊詩人なる子供が三日三晩詞を書きつづけ……」


ガーナ「頭が良いのか悪いのかわからぬ……。しかし、認めざるをえまい。彼は確実に今回のジェリー婦人の助けになるお方だ。ご協力痛み入る」


ロクショウ「いやいや、こちらこそじゃよガーナ君。よくぞわし達を頼ってくれた。やっと、フリカッセは真にこの国の平和の為に働ける日が来たやもしれん……」