PFCS SS劇場!

パラレルファクター カルティベイトサーバーのSSをまとめるブログです。主にツイッターでのやり取りを纏めます!

水の精霊長アクエリス


ポカリス「いーい?アクエリス。私たちは三人でひとつなの。貴女はとっても魅力的よ。けれど私たちがいなければ、すぐにでも狼に食べられてしまうわ」


アクエリス「はい……ポカリスお姉さま……」


ポカリス「あぁ、私のかわいいアクエリス……。貴女が心配なの……。非力な手、折れてしまいそうな細い足……。言うことを聞いて、いい子だから……ね?」


アクエリス「……はい……お姉さま……」


カルピス「ドレスを着れば、いつもの煤だらけの顔も少しは見れるじゃない。ま、私と比べちゃ可哀想ですけど!」


アクエリス「ありがとうございます……カルピスお姉さま……」


カルピス「それよりどう?この新しいドレス。中々私の美貌に合うものがなくて困っちゃうわ。まぁ私はなんでも似合ってしまうんですけど!!」


アクエリス「お綺麗ですお姉さま……」


カルピス「あら、ありがとう!当たり前のことすぎて嬉しくもなんともないですけどー!」


ポカリス「それではカルピス、ついてきなさい。私たちは長なのですから、演説に遅刻は許されないわ。いーい?アクエリス。多忙の私たちの為にも水の祈りを忘れずに。しっかり三人分祈祷してくるのよ?貴女はとっても頑張りやさんなのだから、きっとウィンディーネ様も貴女を見てくださることよ?」


アクエリス「……わかりました……お姉さま……」


ポカリス「いい子よアクエリス。それと、私たちは長としてお食事会にも出なくてはならないの。いーい?貴女はお外で食べてくるのよ?」


アクエリス「……はい」

 

 

 

 

アクエリス「恵みをお与えくださりますウィンディーネ様、祖はユグドラシルよりお慕いする者。我らの大地に潤いと繁栄を、本日の献上品をお納めくださいまし……」


アクエリス「……今年の河川は流れがあまり芳しくなく、魚も酒も上質を保てませんでした。長として恥ずかしく思います……。このままでは村の子供たちにひもじい思いをさせてしまう……。恵みをどうか……どうか……」


???『……なんだ、まーたあんた一人で来たわけ?』


アクエリス「!?ど、どなたですか!?どこからお声を!?」


???『お!?聴こえたの!?へぇ~なかなかやるじゃない!どなたって……滝よ!もっと言えば水!!自分が信仰してるもん知らないでどーすんの!?あんた馬鹿!?』


アクエリス「み、水……まさか、ウィンディーネ様ですか!?あわわ、こんな姿で申し訳ございません……!どうか、どうかご勘弁を……」


???『ちょっとやめてよ!っていうか、あんたらあたしのことウィンディーネって呼ぶのやめてくんない!?なんなの!?馬鹿なの!?』


アクエリス「えぇっ!?わ、私たちがお水の加護を授かっておりますのは、古来よりウィンディーネ様のお力であると仰せつかっていましてその……」


???『違うわ、それは誤解よ。はー……また説明するの?まぁ良いけど。前のオッサンと比べてあんたいつも素直だし、どんくさいけど頭も悪くなさそうね。いいわ、説明してあげる。ちょっと長いけどね』


アクエリス「あ、ありがとうございます……」


???『いい?まず、あんたたちが信仰してるのはあたしで間違いないわ。そして、私は水。けれども、私は本来「世界樹ユグドラシルの加護から産まれたもの」という複雑なものなのよ。かつてこの国の精霊がユグドラシルのみを信仰していた頃、その加護を最大限に受けていた精霊は「火、水、土、風、木」の五大属性全てを自由に扱えたの』


アクエリス「五大属性……全てを、ですか……?凄い……」


???『でもね、何人かいた最高位の精霊達はやがてその属性に得意不得意があることに気づいたの。だから、ユグドラシルの信仰の中にも偏りがあるって考えたのよ。そして、五大属性それぞれのエキスパートを選出し、五人の精霊長が持ち上げられた。でも、それがまずかったのね。このとき精霊達は、このあとの事態を軽く見ていたのよ』


アクエリス「このあとの事態……?それって一体……」


???『「信仰が分散した」のよ。新世代の精霊は、ひとつの属性を極めている精霊長にそれぞれ憧れを抱いた。森羅万象を司るユグドラシルを信仰する精霊は減り、いつの間にか信仰は「五大属性のいずれか」に置き換わってしまったの。だから、お互い喧嘩しちゃって分裂しちゃったのね』


アクエリス「……つまり私たちは水の五大属性を選んだその方に憧れを抱いた民なのですね……」


???『そう!!そうそう!!あ~やっと話のわかる子に私の声が届いたのね!!最高!!まったく歴代の馬鹿ときたら……』


アクエリス「あ、あの……それとお名前と、一体どんな繋がりが……」


???『おっと、嬉しさのあまりもう少しで河の水位20mあげちゃうとこだったわ!危ない危ない。……つまり、あなた達が呼んでるウィンディーネってーのはね、「初代ユグドラシルの精霊長、ウィンディーネ・アクアパッツァ」のことなの!あたしはそいつが作り出した「意思を持った水」よ!!初代精霊長はこうやって「五大元素に生命を与える加護」が扱えて、私はウィンディーネと共に世界を守り続けた者。それをあいつらは『霊獣』と呼んでいたわ。つまり、私は「水の霊獣」ってこと』


アクエリス「ウィンディーネ様は、実在した精霊だったのですか……!?なんてこと……。そ、それでは、水の霊獣様のお名前は……?」


水の霊獣『……へ?あたしの名前……?あ、あたしはあれよ、……水よ!!ただの水!!』


アクエリス「そ、そんな!いけません、ウィンディーネ様の事は変わらず尊敬し、お慕いいたしますが、私達をおささえ下さいましたのは霊獣様でございます!!ウィンディーネ様が霊獣様を使いの者としてお造りしていたとしましても、私共は霊獣様にお仕えしているのです!我々をお守りしてくださる救世主様を、大雑把な呼び名で呼ぶなどあり得ないことでございます!!」


水の霊獣『え、ちょっとまって、……ちょっと、え、あたしの方が立場上ってこと……?冗談言わないでよ、そんな馬鹿なこと……』


アクエリス「いいえ、我が信仰に誓って嘘などではございません!!私は水の恵みに育てられ、水の奇跡に救われているのでございます!!よろしければ、お許しいただけるのであればどうか私めにお名前をお呼びさせて下さいませ……」


水の霊獣『ちょ、ちょっと……(マジで……?名前とか、あたし道具みたいなもんだし考えてなかったわそんなん……)』


アクエリス「お願いします……」


水の霊獣『……昔ね。ウィンディーネが酔った勢いであたしにつけた名前があるのよ。結局その一度しか呼んでもらえなかったけどね。でも、これは特別よ。あんたにだけ教えるんだからね、他の奴には内緒よ!!』


アクエリス「私だけ……は、はい!光栄です……!!ありがとうございます!!」


水の霊獣『……「アクエリアス」。それがあたしの名前よ』


アクエリス「えっ……!!あ、アクエリアス、様……?」


水の霊獣『な、なによ!!言わせといて不満なわけ!?っていうか、あんたこそなんて名前なのよ!!先に名乗らせるとか無礼じゃない!?』


アクエリス「はわわ!申し訳ありません……!!その、あのですね、アクエリアス様……わ、私の名前を聞いても気分を害されないで頂きたいのです……申し訳ございません……」


水の霊獣『ふん、名前くらいで機嫌損ねるほど落ちてないわ!!御託はいいから名乗りなさい!!』


アクエリス「……『アクエリアス』……」


水の霊獣『ん?なに?呼んだ?』


アクエリス「『アクエリアスゴルゴンゾーラ』……。わ、私の名です……。みんなからは『アクエリス』と……」


水の霊獣『……は!?』


アクエリス「わ、私……知らない間にアクエリアス様と同じ名前をいただいて……」


水の霊獣『ちょ、ちょっとなんで!?ありえない!!どうしてそんな名前になったの!?あんたに名付けたの誰!?』


アクエリス「前精霊長様です……。じ、実は、私だけにお教え頂いたお告げがありまして……」


水の霊獣『お告げ……?な、なによそれは……』


アクエリス「はい……。精霊長様は私が産まれる前日、夢の中で初代精霊長様という、青い髪が地面まであり、まつげが長く、とてもゆっくりとしゃべる女性の精霊と会い、お言葉を頂きました……」


水の霊獣『(間違いなくウィンディーネね……)それで?』


アクエリス「はい……。初代様は精霊長様に、『次に産まれてくる子に名前を授けます。名はアクエリアス……。かつてわたくしが最も愛した子へ贈った名前です……。』と……そして私が産まれ、お名前を頂きました……」


水の霊獣『も……最も愛した子……そんなことあいつ、一度も……』


アクエリス「後に精霊長様は、この地に向けて神槍『コキュートス』を放ち、枯渇しかけていたこの村に河を作って亡くなりました……」


水の霊獣『……あれを開放したの?馬鹿ね、無事で済むわけないじゃない。だってあれは……あれ?ちょっと待ちなさい、今この地には真新しい河が二つあるわ……まさか二人も『使った』の!?』


アクエリス「あ、そのー……。も、申し訳ありません……河の片方は私が姉にそそのかされて、その……知らずに使ってしまいました……」


水の霊獣『は!?!?ちょ、ちょっとまちなさいよ!!使ったって、あんた「コキュートス」に「使われて」なんで生きてんのよ!!嘘でしょ!?』


アクエリス「え……?いえ、その……確かに少し大変でしたけど、なんとか自分を保てました。お姉さまが言うには、あの槍を扱えれば長の資格があって、まだ試していないのは私だけなのだと……。生憎信仰不足で失敗して、村に新しい河を作ってしまいましたが…」


水の霊獣『そ、そんな馬鹿なこと……だってあの槍は……』


アクエリス「やはり私は大変な事を……はわわ、申し訳ございません……償いはなんなりと……」


水の霊獣『……(「二人を分かつ激流槍」、その名をコキュートス……。あれは命と引き換えに大地を割き、大水害を起こす制御不能の「対神兵器」……。威力はサラマンドが作り出したとされる「レーヴァテイン」と並ぶものの、その作りはまるで別物……「精霊そのものを燃料に使う超大規模の災害出力兵器」なのだから、考えられる可能性は一つだけ……。まさかとは思うけれど、この子、「信仰による加護の力が、発動に必要なエネルギーを上回る程多い」……!!)』


アクエリス「私は本日、多忙であります姉二人の分も含めて滝の行と水汲みの試練を行っております……。これから旅人が誤って河に投げてしまったゴミの回収や滝に生えている苔の植え直しも行います……。この地方の河一帯は私が長として管理を任されておりますから、責任をもって綺麗に致します……。どうかアクエリアス様にも快適にお流れ下さいますよう、誠心誠意尽くして参ります……ですので、どうか、どうか私の不始末をお許しください……どうか……」


水の霊獣『そ、そう……(あ、ヤバイわこの子……なんか加護の強さ納得できたかもしんない……。っていうかこの子の姉最近よく見るけど、並みの加護しかないわ……。つまり良いように騙されてんのねこの子……)』


アクエリス「アクエリアス様……?」


水の霊獣『……理解したわ。私がいないとダメね。アクエリス!今からあんたの加護で私を使えるようにしてあげる!その代わり、あんたは今後私の言うことを聞きなさい!!か、勘違いしないでよ?あんたが私を使うんじゃなく私があんたに「使わせる」んだからね!!』


アクエリス「わ、私に!?アクエリアス様を、わ、私がですか!?」


水の霊獣『当たり前よ。長なんだから!!それと、私はあんたの事を「アクエリス」と呼ぶわ。だからあんたも、私の事を「アクアリス」と呼びなさい』


アクエリス「アクアリス様……。ありがたき幸せにございます……!!ふつつかものですが今後ともよろしくお願いいたします……!!」


アクアリス『ふんっ!せいぜい頑張りなさい!!』

 


アクアリス『(ウィンディーネから解放されて、二度と誰かに使われてたまるかと思っていたけど……。ウィンディーネがそう頼むんなら、いいわ。もう一度使われてあげる。これであの時の借りは無しだからね、ウィンディーネ……)』