PFCS SS劇場!

パラレルファクター カルティベイトサーバーのSSをまとめるブログです。主にツイッターでのやり取りを纏めます!

【アイラヴ祭】普通でいいの?

常務「紹介しよう。楠千都世(くすのきちとせ)。お前達のデビュー衣装をデザインしてくれる、アイドル兼売れっ子ファッションコーディネーターだ」


ちとせ「よろしく。まぁ同じアイドルだし、特別に『ちせ』って呼んでも構わないわ」


紫電「天帝なのに兼業だなんて凄いな!よろしく頼むぜ、ちとせさん!!


ひとこ「わ、私おしゃれに疎いので、教えてください!ちとせさん!


タオナン「デザイナーのご両親にはいつも仕事でお父様がお世話になってるわ。期待してるわよちとせ!


ちとせ「ちょっと!!なんで誰も『ちせ』って呼ばないのよ!!


常務「千都世、このへっぽこトリオはお洒落に疎い、というよりお洒落という概念がそもそもない。多少骨が折れるだろうがなんとかしてやってくれ」


ちとせ「本当ならわたしのデザインは世界的に有名な人にしかあげないんだけど、常務の頼みなら仕方ないわ。特別に協力してあげる」


紫電「え!?い、いや!!いいよそこまで無茶しなくても!!身体は大事にしろよ!!


ちとせ「比喩表現だから!!そんな気軽に骨折してたまるか!!」


タオナン「で、どうやって作るの?あたしたちがしなきゃいけないことはある?」


ちとせ「そうね、まず重要なことはなんといってもコンセプト。これを決めないことには始まらないわ」


紫電「コンセプトか……どこでエントリーするんだ?俺あんまり自信ないなぁ……」


ちとせ「コンテストじゃない!!コンセプト!!


ひとこ「私、虫って全然触れなくて……」


ちとせ「それはインセクト!!間違える方が難しいでしょそれ!!」


タオナン「確かこの辺に……あったわ!!500Wでいいわね!?」


ちとせ「コンセントでもない!!コンセプトよ!!コンセプト!!あなた達わかっててやってない!?」


常務「コンセプトとは企画や広告を作る上で一貫している目的、概念のことだ。これから作る衣装は『何を意図しているのか』を決めろ、と言っている。テーマのように、自分達が歌いたいことをそのまま言ってみろ」


ちとせ「ファンに伝えたいこと、願い、自分がやりたいことを直感的に言ってみなさいよ。それでコンセプトは作れるわ」


紫電モンスターハンティングXX(ダブルクロス)がほしい?」


ちとせ「私心か!!アイドル関係ないじゃない!!勝手に買いなさいよそんなもの!!」


タオナン「金を貢げ?」


ちとせ「何様よ!!直線的すぎるわ!!」


常務「(流石千都世だ。こいつら相手にツッコミを入れ続けられるとはな……)」


ひとこ「そ、その……コンセプトって『普通のアイドル』でもいいんでしょうか……」


ちとせ「はぁ、はぁ……。ひとこって言ったかしら?やっとまともな答え出てきた……。もちろん構わないわ。普通というものも一つの要素。でもひとつ注意しなさい」


ひとこ「え、注意、ですか……?それってどういう……」


ちとせ「『普通』というテーマは『最も難しい』のよ。コンセプトとはあくまで『目的』。ここを『普通』と決めるなら、あなたは『普通という感想』をみんなに持ってもらわなきゃならないのよ」


タオナン「それはわかるけど、何が難しいのよ。普通って言えば『並み』ってことでしょ?ちゃんとやれば感動させたりするより簡単じゃないの?」


ちとせ「馬鹿ね、『だから難しい』のよ。それならタオナンに答えて貰うけど、あなたが『普通』のスカートを一つ買うなら、『お金はいくらもっていく』かしら?」


タオナン「へっ?スカート……?そうね……『六万』程度あれば普通のスカートならなんとか足りるんじゃない?」


紫電六万!?スカート一着だろ!?」


ひとこ「わわわ!そんなの買えないっ!!


タオナン「え!え!?だってスカートでしょ!?日本のそのへんの二流ブランドの平均的な相場じゃない!!あんたたちはいくらなの!?」


ひとこ「特別な時のご褒美に背伸びして二万円かな……普通のなら1万円くらい……紫電ちゃんは?」


紫電バーゲン狙って600円……


ちとせ「どう?私の言いたいことわかったでしょ?だから、普通って難しいの」


タオナン「え、なんで?意味わかんない


紫電今の話とどう関係あるんだ?


ちとせ「わかりなさいよ!!普通わかるでしょ!?流石の私でもびっくりよ!!」


ひとこ「あ!!そういうことなんだ!!ちとせさんの『普通』は、私たち一人一人が思う『普通』とは違う……ううん、普通って『みんなそれぞれ違う』んだ!!


ちとせ「わたしで気づくな!!!


テイチョス「服の平均的な相場はブランドによって異なる。一般的なブランドもまた、階級や年齢によって異なる。10代後半~20代前半におけるスカートの2017年度平均相場は女性ファッション誌の統計結果で15000から20000と決まったが、実際に店に立ち寄ってみるとセール等を頻繁に行い5000~10000円代まで下がり、またその客の好みや性格によって金額の吟味は細かくわかれてくる。更に、例えディナーに1000円や2000円をかける余裕のある者でも、牛丼チェーン店に入れば基準は一転し、100円や50円の違いを吟味することもある。つまり平均、相場、普通という感覚はいかなる場合でも変動し続ける。紫電でなくとも、バーゲンで買おうとすれば値段はできるだけ安く、それでいてしっかりしたものを、という心理が必然的に働きだす


ちとせ「ちょっとまってあんた誰!?どこから出てきたの!?


テイチョス「テイチョスだ。天井の配線調整をしていた。彼女達のプロデューサーだが今は急用でエアコン修理のアルバイトをしている。唐突なナレーションはただの趣味だ」


ちとせ「さらっと説明されても突っ込みどころが多すぎて反応に困るから!!


タオナン「ごちゃごちゃして良くわかんないけど、ひとこや紫電からしたら高いのね。蟹でよろこんでたものね……」


ひとこ「私も、普通の金額って聞かれたから一万円って答えたけどお小遣いもそんなにないし、本当はいつももう少し安いのを探してたりして……」


紫電(そもそも新しいの買うのが贅沢だなんて言えない空気……)


常務「『普通のアイドル』を売りにすることは決して悪くない決断だ。考え方次第だがな。千都世、お前の力でコイツらに『普通の衣装』を作ってやれ」


ちとせ「え?……できないことはないけど、あなた達はそれでいいの?良く考えた?」


紫電考えてないぜ?


ちとせ「即答すんな!!すこしは考えなさいよ!!」


タオナン「違うわよ、ちとせ。なんだかよくわからないけど要するに、あたし達はこれでいいってことでしょ?常務」


常務「ふっふ、こういう察しのよさはお前らしい。千都世、『このままでいい』。考える必要はない」


ちとせ「何よそれ気持ち悪いわね……。わ、わかったわよ!普通のを作るわ!!とびっきり普通の奴!!わたし知らないからね!!」


ひとこ「ありがとうございます!楽しみです!!」


ちとせ「ふ、ふん!!もう後悔しても遅いんだからね!!

 

 

***

 

ちとせ「常務、ちょっといい?」


常務「む?千都世か。こんな時間に会社へ何の用だ。今日はもう上がるぞ」


ちとせ「たまたまこの辺で撮影のロケがあったから、ちょっと寄ったの。やっぱりわたしよくわからないわよ……。本当にいいの?あの子達のデビューなんでしょ?」


常務「『普通』の件か?視点を変えれば簡単なことだ。我々はこのコンセプトを『』にする。千都世、お前『普通の対義語』はなんだと思う?」


ちとせ「普通の対義語……?えっと……『異常』…『特別』…『奇抜』あたりかしら……」


常務「ならば、あいつらを『奇抜で異常に見せる』なら、どうすればいい」


ちとせ「もう充分奇抜で異常よ!!……って……あっ!!そういうこと!?」


常務「そう。あいつらは『普通』が『一番異常』だ。だから、あいつらは自由にさせる。普通の衣装、普通の舞台、普通の金額、普通の日程。そしてライブが始まれば、ファンはきっと誰もが思うだろう。『なんて奇抜なアイドルユニットだ』とな」


ちとせ「!!なるほどね……。ふふ、湧いてきたわ。面白いじゃない、それ!!


常務「しかしお前、そんなことを聞くためにわざわざ戻ってきたのか?お前はなんだかんだでいつも優しいな」


ちとせ「えっ!!そそ、そんなんじゃないわよ!!バカじゃないの!?わたしが気持ちよく仕事したいから聞いただけ!!あいつらをちょっぴり応援したいだなんて全く微塵も思ってないわ!!勘違いしないで!!


常務「はっはっは、まぁそういうことにしておこう。送ってやるから代わりに書類を持て」


ちとせ「ふん!!持てばいいんでしょ!持てば!!