PFCS SS劇場!

パラレルファクター カルティベイトサーバーのSSをまとめるブログです。主にツイッターでのやり取りを纏めます!

四人衆からのお手紙。

ジェリー「ガーナ陛下、わたくしと孤児達の為に何から何までご協力していただけて、なんとお礼を申し上げたらよいやら……」


ガーナ「まぁ、そう堅くなさるな。感謝はこちらがせねばなるまい。度重なる問題によって際限なく現れる、身元不明の子を救うこの孤児院の設立は大義という他ない。我々も身がしまるというものです」


ジェリー「もったいないお言葉……ありがとうございます……!それで、例のロクショウ公爵様からのお返事はいただけましたの?」


エリーゼ「えぇ、流石は元国王、迅速かつ丁寧で、名産品も沢山お送りしてくださいました。後程、子供達に配りにいきましょう」


ジェリー「で、でも、敵国だったとお聞きしておりますわ!何か、裏があったりしませんこと……?」


ガーナ「ご安心いただきたい。ロクショウ元国王はお人好しが過ぎた結果、妖怪を庇って先代といがみ合っていたに過ぎぬ。敵国とは言っても、何も殺しあいをしたわけではなく、我が国とは物資の取り合いをしたり悪口を言い合ったりしただけのことだ。バカ正直の代名詞のような国故、無益な争いは好まないだろう。断るならば素直に断るはずだ」


ジェリー「信じていいのですわね!?安心しましたわ……。都に住むわたくし共は、当時の政治を実感するまもなく田舎暮らしを続けておりましたので、恥を承知で申し上げますと種に関しての知識は聞いた程度しか存じ上げず……」


ガーナ「いえ、我々も同様に、いかに膨大な知識を振りかざしていても、把握しきれてなどおりませんからな。むしろ、実際に子供達とふれあっていらっしゃるご婦人こそ国民を良くご理解されていることでしょう。全く、感服致します」


ジェリー「いえそんな、わたくしなど浅学非才も良いところですわ。ご存じの通り、富に恵まれない土地で産まれ、お金さえあればと毎夜弱音を吐きながら過ごして参りましたのにも関わらず、いざこうして贅沢な環境に置かれれば、物の買い方ひとつわからないただの小娘……。余裕が無く富裕層を妬んでいた自分を恥じているところですの……」


ガーナ「富豪はその地位を特別なものと判断することが出来ぬもの。なればこそ、胡座をかくわけにはいかん。我々に手助けできることならば、惜しまず協力致しますとも。それに、貴女には飢えに苦しむ子の気持ちがわかるのだ。公爵は他でもない、貴女の言葉、思想だからこそ我々に機会を与えて下さった。謙遜されるのはご婦人に救われた子達が気の毒です。自信を持つといい」


エリーゼ「私も、ジェリーさんの活動には心が動きました。チョコを配っていたのは驚きましたけれど、対策を長々練るだけの私たちだけでは、『今』を見ることの大切さに気づくことが出来ませんでした。今も、食堂で子供達に笑顔があるのは、貴女のお陰なのですから」


ジェリー「それでしたらば、お褒めいただきますことを、僭越ながら喜ばせていただきますわ。重ね重ねありがとうございます……。孤児達にとっての良い環境ができますよう、より一層精を込めて頑張りますわ!」


ガーナ「そうですな。我々としてもこれからが勝負どころだ。ジジイ……あ、いや、公爵の手紙によると妖怪講師の派遣は元フリカッセに代々仕える妖怪の四人衆が、我々を信用するかどうかにかかっている。これがまたアクの強そうな者達だということだが、事実、ロクショウ卿は人間であらせられる。彼に仕えているのだから人間に対し差別的な価値観は持っていない筈だが、その卿が自ら『難しい子達』とぼかしているところをみるに、一筋縄ではいかんことは間違いないだろう……」


エリーゼ「それだけではありません。実は公爵様の他に四通、その四人の家臣と思われる者達から、個人的な手紙が送られて参りました。まことに失礼ながら、この内容だけでいかに今回の件が難題であるかは明白となりました……。お読みになりますか?」


ジェリー「もちろん。お願いする立場としての礼儀ですわ!是非お目通しさせてくださるかしら」


エリーゼ「ではまず、アスペルギルス防衛大臣から……」


ジェリー「えぇ、何々……」


『ドレスタニア王へこれを御送り奉る。我々サターニア一同、ただ一度の敗走屈するに至らず。命、幾ら賭けんとするも四肢健康その物につき、剣を持たずとも之を好機と読むに違いなし。武勇の数を語れば我ら千日では足りず、また酒は万と揃えど我ら困ることなし。繰り返す。万と揃えど困ることなし。また我ら妖怪、宴を心待にするもの也。また、我ら酒豪につきいかなる種の挑戦にも応えるもの也。』


ジェリー「つまり……敵意はないけれどお話をしたいので、色んな種類のお酒をたくさんお持ちすれば良い、ということですわね?」


ガーナ「なんと!そういう意図であったか!!まさか一読みで解読されるとは!!」


エリーゼ「ガーナ様が一時間格闘しても解読できなかった怪文がものの一瞬で!?」


ジェリー「簡単ですわ。ほら、書き出しはこんなにかっちりされていらっしゃるのに、徐々に文字がしなやかさを帯びて、最終的に勢いにのっていますもの。アスペルギルス様は直線的なお方ですわ。お酒の味を想像して書いてますのね。ふふ、お茶目な方ですのね」


ガーナ「ほう……独特の視点をお持ちだ……。ならばこちらはどうか……」


エリーゼ「トリコデルマ文部科学大臣による、問いかけの文章です」


『ガーナ元国王様へ。名乗るほどの身分でもないので烏滸がましいのですが、僕はトリコデルマと申します。こんなのが代表で申し訳ございません。我々妖怪四人衆共々、会食を心より楽しみにしておりますが、長兄に当たりますアスペルギルスより僕たちから貴殿方へ向けた、所謂テストのようなものを出す提案により、こうして手紙をお出ししておりますすいません。兄はともかく僕なんかの出す問いなど簡単でつまらないものでしょうけれど、よければ会食時に答えをお聞かせください。それでは、僕はサムサールの妖怪ですが、この眼は何の呪詛でしょうか。』


ジェリー「随分弱気でいらっしゃいますわね……。自信とか?」


ガーナ「自信……!そうか、ならば文の内容にも合点がいく……この問いも大丈夫そうだな」


エリーゼ「ガーナ様はちなみになんだと思ってたんです?」


ガーナ「アスペルギルス殿で頭が痛くなり、考えるのをやめた。二、三回話せばわかるかなーと……」


エリーゼ「また無責任な……気持ちはわかりますけどね。次はアルテルナリア厚生労働大臣


『拝啓 ドレスタニア元国王様へ。昨今は樹木の青さも紅葉によりすっかり紅く染まり、道を歩く度に幼少の頃にドレスタニア病院から見た、あの広大でお美しい森に恋い焦がれ、胸を弾ませた青春の日々を思い返します。さて、つきましては会食の件で~_.…』


ガーナ「ここで途切れていて、良くわからないのだ。次は暗号か何かだろうか?」


ジェリー「この方が心配ですわ……。ご無事でいらっしゃいますでしょうか……」


エリーゼ「……?どういうことですか?何か解読できたのでしょうか」


ジェリー「いいえ、それどころじゃありませんことよ。ほら、柄に見えなくもないですけれど、血がついてますわ。インクも微妙に飛んでますし……きっと文を書いている最中に、具合が悪くなってやめたんですのよ。最後のへんな文字は、咳か何かで歪んでしまったのですわ」


ガーナ「そんなバカな……万が一そうだったとしても、書きかけを送るだろうか……」


ジェリー「手紙は封筒に入っていらしたのでしょう?急いで隠したものを、出されてしまった可能性はありますわ。インクが乾く前に擦れた跡がありますもの。それよりも、安否が心配ですわ……」


エリーゼ「会ったときにお聞きしてみましょうか……。それでは、最後なんですが……バクセラ法務大臣より、灰色の手紙が一枚。何故かなにも書かれておりません……」


ジェリー「エリーゼさん、ちょっとその手紙をお借りしても?」


エリーゼ「えぇ、ただの紙ですが」


ジェリー「……いいえ、これはちゃんとしたお手紙ですことよ。よくご覧なさって」


ガーナ「こ、これは……!!物凄く小さい文字でびっしりと何か書かれている!!」


エリーゼ「あらほんとに!!でも、さすがに小さすぎて読めませんよ。そもそもどうやって書いたのかしら……」


ジェリー「わたくし、読めましてよ。生まれつき目の良さだけが取り柄ですの」


エリーゼ「えぇ!?いくらなんでも、これが読めるって、だってこれ点描みたいな小ささですよ!?」


ガーナ「そんなことより、内容はなんて書いてあったのだ!?相当な長文に見えるぞ!?」


ジェリー「いえ、特に真面目に読む必要はありませんわ。ただ『しりとり』をひたすらに書き起こしただけですもの。宛名はトリコデルマ様の字体ですから、あんまり意味を込めて書いていないと思いますわ。ただ、しりとりの単語に特殊な熟語やことわざなども入っていることから、知識の深さは相当な物とお見受け致します」


ガーナ「何、それならばこの手紙達はトリコデルマ殿以外真面目に書いていないとでも言うのか……一体手紙そのものになんの意味が……」


ジェリー「きっとロクショウ様の真似をして、ついでに送っただけですわ。子供が親の真似をしたがるのと同じこと……わたくし、好感を持ちました。子供心を失わない楽しい方々ですもの。きっと仲良くなれますわ!」


エリーゼ「す、凄まじいバイタリティーね……。やっぱり、これはあなたにしかできないことだわ……。ついていけない……。素直に尊敬するわよ……」


ガーナ「全くだ……」