PFCS SS劇場!

パラレルファクター カルティベイトサーバーのSSをまとめるブログです。主にツイッターでのやり取りを纏めます!

代理人対策

ガーナ「これは仮説だが」


エリーゼ「なんでしょうか突然」


ガーナ「例の女の連れているアルビダの娘の能力が、思考の共有だと言うならば、という話だ」


エリーゼ「興味深いですね。いいんですか、見てるかもしれませんよ」


ガーナ「いや、見られてたのだ、ここ数日。暇潰しで思考を読みに来ていたらしい」


エリーゼ「じゃあ、対策練っていることもバレてるんですか……」


ガーナ「まぁそこでも一つわかったことがあるが、あの二人は別に我々を敵視していないのだ。サバトの事に関してもなぜか協力的でな、ついでにあの娘は老人に感謝もしている。愛情表現の仕方が一般的でないだけだろう」


エリーゼ「善意で蹴りたがってるってことでしょうか……」


ガーナ「本題に戻る。つまり、あの娘は任意で複数人の思考を読むことができるわけだが、その対象以外の情報は頭にいれることができないらしい」


エリーゼ「自分から聞こうと思わなければ言葉は聞けても理解ができない、ということ……でしょうか」


ガーナ「そういうことだ。特に、思考は言葉と違って生き物である以上、完全に停止させることはできない。無意識にも何かしらを考えてしまうだろう」


エリーゼ「常に騒音状態ですね。いや、脳の働きである分疲労度は比較になりませんでしょうし、そう考えると気の毒な能力とも……」


ガーナ「そんなことを本人の目の前で考えていたら、細かく教えてくれた」


エリーゼ「えぇ……無神経すぎません?」


ガーナ「仕方がないだろう性分なのだから……それにあの娘もまだ少女だ。気を許した相手の思考を読むのはスキンシップみたいなものだと。成り行きで過去の記憶を共有されたがろくでもない環境で育ったがゆえに、まともな者の思考を読む楽しみを最近まで知らなかったようだな」


エリーゼ「楽しまれても困りますが、まぁ乱暴な人達の心なんて覗きたいとは思いませんね。それで、どんなことを教えてくれたんです?」


ガーナ「あの娘は、常に誰か一人の思考を借りて行動しているそうだ」


エリーゼ「思考を借りる……とは……?」


ガーナ「大量の人の中ですべての者の考えを聞こうとすれば脳のキャパシティを超え倒れてしまう。かといって共有を遮断すれば何を言われても聞くことはできるが内容を理解することができない。そこで、自分に近い誰か一人の思考のみを自分と共有し、その者が聞き取り反応したことを追体験する形で判断しているのだ」


エリーゼ「つまり『状況把握用の受信機』を作っている、と」


ガーナ「大雑把にまとめればそういうことだな」


エリーゼ「でも、それは逆に言えば『依存相手』がいなくては成り立たないことなのでは……」


ガーナ「その通り。過去の記憶が事実ならば、前の依存相手は酒場の店主である『父親』だったそうだ。だが、非常に臆病かつどうしようもなく無責任な男で、鬼の賊から脅されては、なすがままに自分の娘の身体を売り続けた。あの娘は賊の思考を読みたがらず、父の思う通りの行動を取るしかなかったわけだ」


エリーゼ「……胸糞の悪いお話ですね。このドレスタニアでまだそのようなことが行われてたなんて……」


ガーナ「妖怪の立場は未だよろしくない。記憶の共有はあの娘にしかできぬ事だ。身に起きたことを告白した勇気を尊重せねばな」


エリーゼ「えぇ、事態の深刻さを軽んじていました。なんと言えばいいか言葉に詰まります。……それで、現在の依存相手はあの女性というわけですか?」


ガーナ「そのようだな。教育に良いとは流石に言えないが、あの娘にとっては最も安心できる拠り所であることは確かだ。例の自傷行為も主従関係を強める行為なのだろう。依存度が高いほど彼女は欲求が満たされる。あの女も独占欲が異常であるため、お互いに利害が一致している」


エリーゼ「とことんまで歪んでいるんですね。ですが事情を知ると批判する気も起きませんし……難しい話ですね、これは……」


ガーナ「そこで話は最初に戻るわけだが」


エリーゼ「あぁ、脱線しましたね。仮説の話でしたか」


ガーナ「そうだ。彼女の話からすると、『思考を読む』という能力は『全ての生物を対象としている』のだろう」


エリーゼ「個人では何もできそうにありませんが、組む相手によっては無敵にもなりますね。現に、そういう意味では最悪のコンビが出来上がってますし」


ガーナ「では、『生物でない者の思考』はどうなるだろうか?」


エリーゼ「生物でない……?そんな哲学的なことを聞かれましても………………いや、可能ですか、確かに」


ガーナ「そうだ。『アルファ』に対して彼女の能力は効かないのでは?」


エリーゼ「なるほど。言われてみれば可能性はありえますね」


ガーナ「私と老人の命が関わっているからな、味方であってもボディーガードはつけたい……。割りと切実にな……」


エリーゼ「お気に入りにされてますものね……ご愁傷さまです」


ガーナ「他人事みたいな言い方をするな」


エリーゼ「私は心の底から関わりたくありませんので……」


ガーナ「酷い……」