PFCS SS劇場!

パラレルファクター カルティベイトサーバーのSSをまとめるブログです。主にツイッターでのやり取りを纏めます!

ジェリー・ムース・バーバロア嬢

エリーゼ「公園にお菓子をばらまく貴族が現れた?」


兵士「はっ、馬車で駆けつけては、大量のお菓子をばらまき、高笑いして去っていくそうです」


エリーゼ「それは、危ないわね。一部に毒でもまぜられたら大変だものね」


兵士「そ、それは残酷であります……!なんて悪魔的発想!!思ってもいませんでした!!」


エリーゼ「……だから侵入者一人に攻め入れられるでしょう、あなたたち……。少しは頭使いなさい」


兵士「は、はっ!すいませんでした!!」


エリーゼ「とにかく向かうわ、それはどこの公園?」

 

***

 

エリーゼ「ここね、怪しい人は……と、あれは……!」


ジェリー「オーッホッホッホ!!さぁ皆さんお拾いなさい!!ガムとチョコレートですわぁ!!オーッホッホッホ!!」


エリーゼ「誰かと思ったら、ちょっとジェリーさん!?何をされているのかしら!?」


ジェリー「オーッホッホッホ!!ごめんあそばせ、エリーゼさん。見ての通り、支給品を庶民の皆様にお分けして差し上げておりますの。邪魔しないでくださる?」


エリーゼ「そういうわけにもいかないわ。こんな国民の警戒心を下げるようなことは私が認めません。今すぐ配るのをやめなさい!!」


ジェリー「な、なんですの突然!?法律上の問題はありませんことよ!?ちゃんと確認しましたわ!?」


エリーゼ「配り方ってもんがあるでしょう!貴女のせいで国民を縛る法律が増えたらどうするおつもり!?罰則はなくても、倫理的にアウトよ!とにかく、馬車を降りなさい!!」


ジェリー「納得がいきませんわ!!わたくし、皆様に感謝されることはあっても、迷惑をかけることはしていませんわよ!!恵まれない国民たちに愛のお菓子配りですわ!!」


エリーゼ「子供じゃないんだから……いい?あなたのは国民の救済ではなくて、『餌付け』よ。そうやって国民をいたずらにたぶらかしてるとね、そのうち国民は貴女に甘えっぱなしになって、自分で何もしなくなる。一日だけならまだしも、継続的にやられては国の将来性にも影響が出てしまうわ。それに、悪い人が貴女を模倣して毒入りのお菓子をばらまいたり、どさくさに紛れて貴女の配るものの中に一つでも何か良くないものを混入させたりしたら、どうするんです?」


ジェリー「ど、毒……!?え、エリーゼさん、なんて恐ろしい犯罪を思い付くんですの……。サイコの発想ですわ……」


エリーゼ「貴女ね……。はぁ……つまり、ことと次第によっては問題が起きかねない方法をしているの。すぐにやめないとしょっぴきますわよ?」


ジェリー「わ、わたくしはただ、『もしお金持ちになったら、貧乏な子を助けたい』っていう幼少期よりの夢を叶えたかっただけですの……。人助けが犯罪になるだなんてこれっぽっちも考えていなかったのですわ……」


エリーゼ「まぁ、戦前は貧しい国の生まれで、戦後、地下鉱脈発見による莫大な富で爵位を得たバーバロア家の事情もわからないわけではないわ。思想事態は淑女として尊敬すべき正しい事よ。ですから、人助けするにもちゃんと手順を踏みなさい」


ジェリー「どうすればいいんですの?わたくし、お金は毎日三食程のカルボナーラをいただける位手元にあれば充分ですわ。ドレスなら自分で編みますもの」


エリーゼ「そうね……お金の使い道がわからなければ、今ある孤児院に寄付するとか、学校に教科書を買うとか、そうすれば恵まれない子にもちゃんと届きますわよ」


ジェリー「ほんとうですの!?あ、でも……今配っていたお菓子は、施設に入っていない子達に向けて行っていたのですわ。私は、今苦しい子達にむけて届けたいんですの……」


エリーゼ「慢性的な孤児院不足は我が国の悩みの種でもありますからね……。どうにかしてあげたい気持ちは我が国王も持って活動しているわ」


ジェリー「そうですの!!『お菓子を配るのがダメなら孤児院を建てれば良いじゃない』ですわ!!」


エリーゼ「そうねそれなら……って、貴女ちょっと、それは流石に寄付しすぎじゃ……」


ジェリー「構いませんことよ!!わたくし、貧しい子の為ならなんだってしますもの!!孤児院の設立はどれくらいかかるのかしら?20億ドレスタニアドルくらいで充分かしら……」


エリーゼ「我が王宮より遥かに大きな城が建つわよそれは……200万ドレスタニアドルくらいでも大層立派な孤児院ができますから、他は活動費に回しなさい……」


ジェリー「となると次はどこに建てるか、ですわね……。子供たちが遊べて、空気も美味しく、ホスピタルの近い場所が好ましいですわ。何匹か羊や鶏も飼って、命を育てながら楽しく過ごしていけるような……」


エリーゼ「貴女ったら、本当に献身的なのね。どうしてそこまでして尽くそうとするの?」


ジェリー「……戦争の記憶が胸に残っているから、ですわ。貴女方シルフィールの民は戦死が主でしたでしょうけど、私の国『グノーメア』は『餓死』が普通でしたの」


エリーゼ「……そう。ねぇ、ジェリーさん。貴女には貴女にしかできない事が沢山あるわ。でも、貴女に出来ないことが貴女を苦しめたときは、私や王にご相談下さいね。私たちにとっては、貴女も『救われるべき国民』なのですからね」


ジェリー「エリーゼさん……。えぇ、わかりましたわ。ご迷惑をお掛けしたことを、再度改めてお詫びいたします」


エリーゼ「良いのよ。孤児院の完成、楽しみにお待ちしてます」

 

***


ガーナ「なるほど。それであの大きな建造物を建築中という訳か」


エリーゼ「えぇ、久々に有意義な建造物ですから、仕事の際に度々立ち寄ってしまいます」


ガーナ「しかし、探してみれば随分と多いな、孤児の数は……なぜ今まで把握しきれなかったのかが気になるが……」


エリーゼ「彼らの主な生活方法は、スリや窃盗だそうです。兵士や我々から逃げてたんじゃないでしょうか?」


ガーナ「平和になっていくように思えても、表面上の話だけなのかも知れないな。バーバロア嬢はどうなさっている?」


エリーゼ「未だに孤児を集めてお菓子を配っています。前みたいに大々的に行っているのではなく、一人一人に手渡して歩いているみたいですわね」


ガーナ「立派なことだ。食堂の使用を許可するとお伝えしろ」


エリーゼ「はい。ありがとうございます」


ガーナ「孤児院ができたら伝えたい者が何名かいるのだが……また、複雑な気持ちだな、これは」


エリーゼ「どなたをお呼びしたいのです?」


ガーナ「セレア、解剖鬼、グリム殿、ハサマ様」


エリーゼ「一度に呼ぶのは難しいですね……」


ガーナ「思想は同じ筈だが、立場ややり方、環境が違う。国との戦争の縮図そのものだ。こればかりは致し方あるまい」


エリーゼ「少しずつでもわかりあえたら素敵なことですけどもね」


ガーナ「この孤児院には、どこかそういう啓示を感じさせるものがあるな」


エリーゼ「ショコラ様もさぞお喜びになることかと思われます」


ガーナ「あぁ、ようやくあいつらしい国になってきたようだ」


エリーゼ「本当に……」