PFCS SS劇場!

パラレルファクター カルティベイトサーバーのSSをまとめるブログです。主にツイッターでのやり取りを纏めます!

紫電の両親と女海賊煙慈

煙慈「鳴雷め、アタシを舐めたらどうなるか忘れたわけじゃあないだろうね…。」

 

紫電「てめー!なにすんだよー!はなせー!!」

 

煙慈「大人しくしてりゃなんもしやしないよ。いい子だからじっとしてておくれよ」

 

紫電「な、なめんなよ!俺は海賊の子だぞ!!おまえなんてぶっとばしてやる!はなせー!!」

 

煙慈「ちょっとちょっと、危ないったらさ、やめとくれ…!ここの岩は、転んだら痛いよ…!」

 

紫電「はーなーせー!!あっ!!」ズルッッ!ドゴォ!!

 

煙慈「紫電ーー!!!!!!!!わぁー!!!!!!!!血が、血がーー!!!!!!!!!」

 

 

***

 

 

鳴雷「拐ったのはまた別の話としてだ、わしの馬鹿娘が派手にこけよったのはヌシのせいばかりではないじゃろ…」

 

煙慈「すまないッ…!アタシはなんてことをッッ!!す"ま"な"い"!!」(号泣)

 

鳴雷「せめて服着て服…頼むから下だけでも…」

 

 

 ***

 


紫電「乗せてくれるってほんとか!」

 

煙慈「あぁ!アタシの船は鳴雷のよりデカイんだ!引退した馬鹿の代わりに世界をみせてやるよ!」

 

紫電「やったぁ!海だ!」

 

煙慈「(…海を教えるのがアタシでいいのかい、鳴雷…)」

 

 

 ***

 


煙慈「なんだい、こんなとこでコソコソしてさ」

 

紫電「う、うわ!!見るんじゃねぇよ!!」

 

煙慈「へぇ、いいドレスじゃないか。どこで見っけたんだい」

 

紫電「……遺品みたいな宝を、この前停泊した村のだったから返したら、フィアンセだって人がくれた。こ、こんなもん俺はいらねーけどさ!」

 

煙慈「ははーん、あんたモノの価値ってもんがわかんないんだねぇ。これは二つとない代物さ。よくご覧、上等なシルクと中々お目にかかることのないアルビダの純血の染色だよ。呪詛を込めて染め上げるから、無理矢理には作れないんだ。ざっと見積もっても豪邸が建つね」

 

紫電「えぇ!?嘘だろ!?」

 

煙慈「アタシの審美眼を舐めんじゃないよ!!金銀財宝、富も名誉もごちそうも、万物はみな持つべき人の元へと受け継がれるのさ。そのドレスはあんたを選んだってことだよ。大事にしな」

 

紫電「あ、あぁ…でも…」

 

煙慈「…着てみたいんだろ?こっちおいで。着付けてやるよ」

 

紫電「そ、そんなんじゃ…!」

 

煙慈「女同士なんだ、隠さなくていいさ。アタシもね、昔、こっそり可愛い服や化粧をしたんだよ。いつか振り向かせてやりたい相手もいたし」

 

紫電「え、煙慈も、こ、恋とかしたのか……?」

 

煙慈「何言ってんだい、今だってしてるさ。海賊が乙女を夢見ちゃいけないなんて決まりはないだろ?」

 

紫電「だ、誰!?教えて!知りたい!」

 

煙慈「だーめ。そんなの、恥ずかしいじゃないか。いつか紫電が良い男を捕まえたら教えてあげるよ」

 

紫電「ず、ずるい!なんだよそれー!」

 

煙慈「(……あたしの子じゃないのに。なんでこんな気持ちになる……。紫翠……怒ってるだろうな……)」

 

 

 ***

 


鳴雷「紫電、お前に知らせんといかんことがある。紫翠のことじゃ」

 

紫電「母ちゃんの…?なんだよ……」

 

鳴雷「事故で死んだと伝えていたが、紫翠はあの日、煙慈の船に乗っちょった。船に乗ると泣き止むお前をあやそうとしてな」

 

紫電「な、なんだと!?」

 

鳴雷「あの日の嵐は、異常気候じゃった。長年航海していたワシも、ワシより優れた探検家だった煙慈すらも、あの嵐は読めなんだ。」

 

紫電「……」

 

鳴雷「船は沈み、煙慈と紫翠はお前を乗せたボロ板にしがみついて嵐がすぎるのを待った。じゃが、紫翠はお前を産んだばかりで衰弱していたんじゃ。嵐が止み、海の真ん中に残された煙慈は、動かなくなった紫翠を抱えたまま板を押して、五日かけて戻ってきた」

 

紫電「……母ちゃんは俺のせいで……」

 

鳴雷「同じことを、あれ以来煙慈もずっと思っちょる。ワシは、あやつを許してる。紫翠も、煙慈とは親友じゃ。許してると思う。後はお前じゃ。」

 

紫電「……そんなこと。煙慈は、俺の……俺のもう一人の、大好きな母さんだ……。」

 

鳴雷「……そうじゃな。安心した。何故この話をしたか、わかるな?」

 

紫電「……あぁ。」

 

鳴雷「海賊が泣くな。ワシら鬼は、名に恥じない生き方を志す。ワシは轟音を鳴らし空を裂く、海を守る雷。煙慈は海を包む大きな雲となり、慈愛を授ける空の母となった。そして紫翠は、宝石の如く澄んだ綺麗な心でもって、人を繋げるゆかりをお前に託した。お前は、雷の元を離れて雲を渡り、自由に生きて縁を結べ。」

 

紫電「……」

 

鳴雷「(泣き顔は、紫翠そっくりじゃなぁ…。)」