PFCS SS劇場!

パラレルファクター カルティベイトサーバーのSSをまとめるブログです。主にツイッターでのやり取りを纏めます!

【R18含・猟奇SM】サバトより歪んだ妖怪

※官能描写が多目の為、閲覧注意

 

 

 

 

「……何が起こった?」


 理解できない光景が目の前に広がっていた。50人はいるドレスタニア兵が、城の廊下にバタバタと倒れている。よく見れば皆首に痣があり、息を吸うのもやっとの状態で肺を抑えている。顔色を見るだけでハッキリとわかる酸欠状態。痕を見ればなんのことはない、首を捕まれたまま甲冑の上から『打撃』を喰らったのだろう。へこみから察するに、『膝』だ。
 平和ボケした無能な兵士とはいえ、重装備のこの人数で一人残らず同じ攻撃を受けるとは、かなり異常な攻撃を受けたに違いない。その上、非常時に最も戦力に足りうるエリーゼの姿も無く、分析すればこの光景は計画されたプロによる『侵略』に近いだろう。
 最も可能性があるとすれば、『奴』だ。しかし、攻撃方法が奴にしてはシンプルかつ意味深すぎる。その線も考えにくいと考察した。ともかく慎重に進みながら、自室へと向かうしか選択肢はない。
 廊下の奥の王室は、ドアが半開きになっている。ランプではない、かなり小さな蝋燭が本の少しだけ明かりを灯しているのがわかる。罠かどうか判別はつかないが、突如『直ぐに入れ』という意識が割り込んできた。
 確信する。『呪詛』の類いだ。妖怪が中にいる。そして、位置を正確に知られている。加えて、確実に思考を読み取られている。あえてそのことを伝えてこない辺り、私の人間性も深いところまで熟知しているとわかった。私はその場で身に付けている装備を外し、ドアを開こうとした。
 脳内に指令が下る。『そこまで理解しているなら短刀も置け』と、確かにそう命令された。私は隠していた短刀を外に投げ、部屋に入った。
 部屋には殆ど明かりはない。私がいつも座っている椅子に、背のかなり高い、髪の長い人物がいた。その手元に私が書いたサバトに関する資料がある。その文字を指でなぞりながら、こちらを向くこと無く『来い』と指令を出した。脳がかき回されている感覚に陥る。
 ドアが閉まる。後ろを向くと、まだかなり幼い少女が何も言わずにドアの前に立っていた。暗くてもわかる、アルビダの妖怪だ。ごく稀に血液に蛍光色が混じって、暗闇でやや発光する肌をもったアルビダがいる。彼女はそのタイプのようだった。そして、脳への指令を操る妖怪は彼女だと理解した。


『思考を意図的に読み取り、他者に発信する呪詛を持っているのか?』


 私は彼女に言葉を使わずに語りかけた。彼女は目を見開いて硬直した。その瞬間、肩をビクッと震わせて顔を下げた。椅子へ振り向くと、座っていた妖怪が立ち上がり、殺意に満ちた目でこちらを向いていた。直後、脳内に指令が下る。


『気に入った。お前は確実に殺す』


 少女の能力に頼るまでもなく、殺意が部屋に充満したのがわかる。私は拳を構えた。その妖怪は床に転がっている『何か』を手につかむと、それを前につき出しながら数歩ほど歩き、机の上の蝋燭を近づけた。


━━『何か』は、エリーゼの頭だった。


 昏睡しているだけで息はあった。だが、兵士同様に酸欠を起こしている。流石の私も動揺を隠しきれなかったが、即座に意識を切り替える。


 相手は、『サバト並みの脅威』だ。このままでは確実に負ける。最悪、エリーゼを見棄てる可能性も考慮したが、現実的ではない。何よりこちらの思考を読み取り伝達させる『恐ろしい呪詛』を持つ者がいる。そして相手は、何らかの手段でもって私が身に付けているものを正確に把握する力を持っている。
 これは『EATER』以来の、最悪の状況だ。打開策があるとすれば、要求を飲むことだろう。私は問おうとした。


「喋ったら殺す。お前から殺し、この女を殺し、廊下の豚を一人ずつ踏み潰す。私は私以外の音が嫌いなんだ。聞きながら死ね。豚野郎」


 思考が読まれ、口を塞がれた。妖怪は直接声で喋り出す。恐らく喋る行動は、完全に勝利を確信、いや、相手を『蹂躙』したときに出る『癖』だろう。頭が破裂するほど解決策を考えていると、脳にまた指令が下る。


『殺す気無し。聞けば済む』


 少女からの個人的な指令だろうか。私は構えをほどくと、腕を組んで妖怪の話を聞くことにした。
 近づいてわかったが、化粧もしていない年増の女だ。元々身長の高い私を見下ろすほどの体格と、鋭い目付きから男性のイメージが強い。女性的魅力は皆無ともいえるが、憧れる者も少なくない印象がある顔立ちだ。顔の中心の割き傷は刃物ではなく抉られたもので、ろくな治療も施さず自然治癒で塞がれた痕がある。割かれた皮膚の皮が変色した程度の紫電よりも酷い抉られ方で、私の腹部の傷と似ている。


「私はいたぶるのがたまらなく好きだ。豚の悲鳴を世界一愛している。だが、こう見えて一途なんだ。一度愛した男で性的興奮を発散させるまで、恋人を裏切れないタチでね。愛しい愛しい爺の行方を追ってきてみれば、鎧を着て発情した豚共が私に尻をすり付けてきた。お預けも耐えられん程純朴で可愛い豚だったもんで、あまりの尊さに善意をもって、城の隅々まで歩き回って全員の性処理をしてやったんだ。後々数えるのが面倒なんで果てた者から一人ずつ廊下に連れてきたが、お前も気づいた通り、私はこの建物の内部にあるもの全てを把握できる力を持っている。そしてこの女、中でも最も興奮していてな?中々捕まえるのに手こずったが、そのドアにいる娘が発情し、仕方なく手足を縛ってお互い性的に遊んでいたところ、いじらしく頬を赤らめながら出てきたんだ。あの娘はあれで中々モノ好きでね、少し一線をこえてしまう癖がある。恐らくこの女は過激なプレイを見たシンパシーで、いてもたってもいられなくなったんだろうな。私は豚に優しすぎるふしがあってな、勿論ちゃんと絶頂するまで面倒をみてやった。だが本命がいるようでな?ガーナガーナと、恋人の名前をしきりに口にする。悪いが寝とるのは趣味じゃないからな、こいつはお前にイかされることを夢にみている『少女』だった。私は久々に心から感動して、不覚にも濡れてしまった。興奮は留まることを知らないとばかりに溢れてきたが我慢し、程ほどにした。こんな尊い少女は中々いない。お前も女心をわかってやるべきだと、老婆心ながら忠告しておく。なぁ豚野郎、ついついペットたちと遊んでしまったが彼らの恥態を許してやってくれ。性欲は老若男女共通して抗えんだろう?私は随分満足したから今日はとりあえず充分だ。あとで私に性的なサービスを求めた豚達の請求書を送る。本来は『本番』までしてあげるところだが、突然の事なもんで私にも準備が整ってなかったんだ。雑な仕事ですまない。飼い主としてお前から謝っておいてくれ。」


 私はかつて無い程困惑した。なんだ、この女は、と。爺というのは紛れもなく『奴』だと思うが、とんでもない輩を知り合いにしたものだ。振り向いて娘の方をみると、よく見れば手足に縛った痕、頬にアザ、首にくっきりと指痕がついている。そして、不気味な程恍惚の表情で股を押さえて息を荒くしていた。私にはわかる。『サバト』は、こういう輩がなるのだ、と。
 とにかく帰るらしいので胸を撫で下ろしたところだが、猟奇的な反面、成したことの規模は武装した一個中隊による虐殺に匹敵する。加えてその行動理念は、単純な性欲処理活動というのみ。さりげなく理不尽な請求もされたが、感じ的に一般の高級娼婦程度の額だろう。数は多いが……。普通の思考では到底理解しがたい。
 流石の私も萎縮した。なんなんだ、こいつらは。


『帰宅する。以後、お見知りおきを』


 判断がつくようになってきた。この指令は後ろの娘だ。女はゆっくりと歩き、エリーゼを私にグイグイと押し付けると、私の胸に収まっていたマッチを一つとりタバコに火をつけて吸った。ある程度吸うと、そのタバコを左手の人差し指と親指でつまんで、私の口へと持っていく。硬直していた私はなすすべなくそれをくわえると、その女は私の頬に手を当て、額にキスをした。脳に指令が出される。『予約した』と。


 女はそのまま歩き、少女がドアを開けると闇に消えた。未だに充満していた殺気がすっかりと無くなり緊張を解くと、扉がもう一度開く。顔を覗かせたアルビダの少女が、頬を赤らめてこちらに歩いてきた。私はエリーゼをソファに寝かせてから少女に近づくと、少女がなにか呟いた。耳を近づけようと屈むと、先程の女がキスした場所にキスをした。脳に指令が下る。『予約』。少女は走って去っていった。


 天井から声がする。


「仲間にどうです?旦那」


私は尚もドアを見たままにこりと微笑んで、血管を額に浮き立たせながら答えた。


「私も予約したよ、爺」

 


 後日、エリーゼを含む城の兵士達は、私の寝ている隙にしくしくと泣きながらの内密な反省会をしたそうだ。話の内容を訪ねてもエリーゼは口を頑なに割らなかったが、若い兵士によると、苦痛の最中に確かに性的な興奮を感じてしまったとのこと。


━━なるほど、プロの仕事らしい……。


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