PFCS SS劇場!

パラレルファクター カルティベイトサーバーのSSをまとめるブログです。主にツイッターでのやり取りを纏めます!

新しい宝探し

「姉御、なんすかそれ…」


「ヤミタだ」


「わーい!!」


 毛先の白い黒毛の尻尾を満面の笑みでフリっフリさせているヤミタの両手首を無言で持ち上げる忌刃。意図がわからない冥烙は満足そうに腕組をしている紫電に聞いたが、問いを制止したのは金弧だった。


「わからねぇのか冥烙。馬鹿もここまでくりゃ本物だぜ」


「んだと!?オメーはわかってんのか変態野郎!!」


 今にも掴みかかりそうな冥烙を片手で止めると、金弧はやれやれと首を振った。


「単細胞が。いいか、まず姉御は見る目がある。ヤミタは犬のサターニアだ。その上野生育ちで成長も未知数と来ている。そして俺らは海賊だ、欲しいものはなんでも手に入れる。つまり…」


ほう、と感心する紫電。冥烙はその様子を見てやや焦りを感じる。


「つまり、なんだってんだよ!もったいぶってんじゃねぇよ!!」


金弧はフフ、とニヤけると冥烙の肩に手をかけて囁いた。


「目覚めちまったのさ…ケモショt」ドゴォ


「コイツを宝探しに使おうってハラだ。良い案だろーが」


金弧の顔面にねじ込むように拳を回転させてそのまま壁に埋め、膝でボディに幾度となく蹴りをぶちこみながら紫電は話し出した。


「蛾のヤローの件で色々コネが出来てな、ソラにチュリグを案内してもらった。あそこは鬼をあんまり良く思ってねぇから滅多に行ける国じゃねぇ。行けるとこ全部回ってったら、新しい博物館が建ってたんだ」


隅で短刀を研ぎながら聞いていた芦華が何かに閃き、人差し指をあげて無邪気に割って入る。


「あ、デートっすね!ソラ君マジメっぽそうだから博物館は正解っs」バゴォ


「その博物館に寄贈されていた大層値の付きそうな財宝のつまった宝箱の説明欄、良く見るとハサマ王とヤミタの名前が書いてあった」


芦華が床に犬○家のような形で埋まるほどの踵落としをしつつ、話を続ける。冥烙は未だに良くわからないといった表情をしていた。


「ソラに聞くと、ヤミタが犬と共に堀り当てたっつー話だ。今まで俺たちは『埋まった財宝』を掘り起こすってことをしなかっただろ。これからはコイツを使って埋まった宝も探すぜ!」


「埋まった財宝…良いッスねそれ…!!」


なるほど、と頷く冥烙。忌刃のアフロをわしゃわしゃして遊ぶヤミタ。ふと、疑問が残る。


「しかし姉御、目星はついてんの?いくら犬がいたっつっても、一から探すってのはしんどいっスよ」


フッフッフ、と笑みを浮かべ、紫電は胸元から巻かれた海図を取り出した。


「ここに酒場で辛気くせぇ爺から買った地図がある。」


「おお…!(姉御がなんかちょっとスケベな出し方した!)」


「どうも胡散臭ぇナ……大丈夫かヨ……」


口を挟んだ忌刃が、訝しげな顔をする。名も知らない爺に騙されているんじゃないか、という心配をしていた。


「大丈夫だ、あの爺はガーナと話してるのを見たことがある。まぁ、海図自体は焼き方やインクの劣化具合を見る限り本物だぜ」


ほほう、と一同。ついに角を弄り始めて忌刃に捕まるヤミタ。目が覚める気配のない二人。


「さっすが姉御!!早速向かおうぜ!!どこの島っすか!?」


「ドレスタニアの下にある、でっけぇ大陸だ!未開拓地のな!」


「了解!!」


舵を切ろうと部屋を出る冥烙。直前、ふと気になって紫電に聞いた。


「っていうかよぉ、姉御。俺らあそこ行ったことあったっけ…」


「?……そういやぁ無いな。行こうと思ったことすらない。何でだ?」


全員の意識から、ぽっかりとあの大陸だけが抜けていた。存在は知っていたが、なぜか行く気にならなかった。


「……まぁこれから行くんだしいいじゃねぇか!」


紫電は嫌な予感を感じながらも、それを払うように開き直ったように答えた。


あの大陸に触れようとしたものはいない。それは何故なのか。
理由は誰も知らない。

 


ただ一人、元国王を除いては…。