PFCS SS劇場!

パラレルファクター カルティベイトサーバーのSSをまとめるブログです。主にツイッターでのやり取りを纏めます!

対サバト組の夜・前編

夜中のドレスタニア。
エリーゼは音を立てず屋根の上を飛び回っている。
ある一点を見つめており、珍しく自分の頭上の影に気づけなかった。


べちゃ。


突然エリーゼの頭部を中心として周囲に響く不快な音。
降ってきたものは黒くてひんやりと冷たく、エリーゼの髪や服に深刻な被害を与えた。


エリーゼ「……ちょっと。」


突然の泥にエリーゼはムっとしている。敵意がない為びっくりはしなかった。


エクレア『ヴァー?』


エリーゼ「あぁ…エクレアちゃんね…。ハサマ様、いらっしゃるの?流石に私でも怒りますわよ?」


笑顔のまま額に血管がうっすらと浮かぶ。
しかし、周りにハサマの気配は感じられない。


エリーゼ「まさか、はぐれたの…?はぁ…。…エクレアちゃん。ちょっとこっちに座りなさい」


エリーゼの色々な所から離れると収束してスライムのようになる。


エリーゼ「貴女、ここで何しているの…?」


目玉を形成しエリーゼを見ると『サンポ』と答えた


エリーゼ「そう。それより何か言う事はないの?」


エリーゼは凄く怒っている。しかし、エクレアは意味がわかっておらず、プルプルぐにゃぐにゃしていた。


エリーゼ「わかるまでお話しませんからね!!」


エリーゼは振り向いて先ほど凝視していたものを再度探し始めた。
エクレアも真似して探し始めつつ、エリーゼの方をチラチラと見ていた。

 

~ドレスタニア城 バルコニー~

 

ハサマ「ガーナくーん」


夜のドレスタニアを一望していたガーナの頭上から声がする。
ガーナは声の主の、いつもと違う様子に違和感を抱きながら上を向いた。


ガーナ「ハサマ様。夜分にどうなさった?」


ひょっこりと姿を見せるハサマ。珍しく真面目な表情と声で、ガーナに話しかけた。


ハサマ「入口辺りの空からそっちに行こうとしたんだけど途中でエクレアちゃん落としちゃったみたい」


一大事である。
ガーナはハサマの前であることを考慮し表情を変えなかったが、手にじんわりと汗をかきつつ、震える声を止めながら冷静に返答した。


ガーナ「落としたまま向かってきたのか…。知ってのとおりだが夜はサバトが徘徊する。しっかり捜して頂きたい。サバト以外にも厄介なものもいるからな。」


ハサマ「分かってるよ。てなわけでちょっと本気で探してみるわ」


襲ってたらかなりヤバイからねと付け加え姿を消した。


ガーナ「…一刻も早く炙り出さねば。サバトを『喰らう』前に…」


ガーナは紅く光る剣を持ち、バルコニーの柵から城の最も高いところまで駆け上っていった。

 


国立図書館 屋上~

 


エリーゼ「ですから、頭に振ってくるのはいけないことだと言ってるのです。いけないことをしたらどうするのか、ハサマ様に習わなかったんですか!?」


未だにガミガミ怒っているエリーゼ。眉間のあたりに歳相応のシワが現れ始めている。


エクレア『シラナイ』


キョトンとしながら答えるエクレア。エリーゼのことを興味深そうに見ている。


エリーゼ「貴女も女性ならシャンとしなさい!!いいですか、『ゴメンナサイ』。はい復唱!ごーめーんーなーさーいー!!」


頬と思われる部分を掴んで左右ににゅーッと伸ばす。


エクレア『ゴメンナサイ』


あわせてなぜか目も左右に伸ばすエクレア。


エリーゼ「言えましたね。いい?頭の上に振ってくるの禁止ですよ?わかりました!?」


顔をがっしりと両手で挟み、再度真ん中に戻った目っぽいところをしっかり見つめる。
そんなことをしばらく繰り返していると、突然空が発光した。
見上げるとカラフルな雷が真横に放たれている。エリーゼはその芸当を見て、ハサマ王であると確信した。


エリーゼ「おや、やっとお迎えですね…。」


エクレアを放し、風の道を作って流れるようにハサマへ向かう。お腹が空いたのか、エリーゼを飛び越すように音速移動するエクレア。
空には真剣な顔で雷を撃ち続けるハサマの姿が見えた。


エリーゼ「ハサマ様!今日は何しにドレスタニアへ!?」


エリーゼは声を大きくして呼ぶ。説教が終わったので、眉間のしわはもう残っていない、穏やかな顔をしていた。


ハサマ「散歩!はぐれちゃったからさっきまで本気で探してたんだけどね!!」


雷を発生させるのをすぐにやめこちらも大声で返答した。その顔はかなり鬼気迫っていた


エリーゼ「そう、それならちょうど良いわよ、ハサマ様。ちょうど今、謝り方を躾けて差し上げたの。エクレアちゃん、ご主人に『ご め ん な さ い』は??」


再度お叱りママの顔をするエリーゼ。この瞬間、化粧が若干崩れた。


エクレア『ゴメンナサイ』


この後ハサマになでられる


ハサマ「躾けてくれたのか、ごめんねー」


やっといつもの表情に戻ったハサマ王


エリーゼ「よしよし、頑張りましたね」


エリーゼも追いついてなでる。
一通り済んだところで、エリーゼは突如真剣な顔で弓を構え、ドレスタニアを見下ろした。


エリーゼ「急でなんなんですけども、ハサマ様。少し雷を貸してくださるかしら」


無色の水晶を20個ほど空中に投げる。


ハサマ「いいけどー?」


ハサマは意図の読めないまま範囲広めの威力小さめの雷を宝石に向かって撃ちだした。


エリーゼは視線を街全体に沿うように見回してから、目にも留まらぬ指使いで20発の矢を打ちだした。
矢は宝石をつき抜け四方八方に散らばると、射抜いた先で小規模の雷が轟く。
その音によって、泥のようなものが空中に現われ、こちらに向かってきた。


エリーゼ「後はお任せします、ガーナ様」


月を背に赤い影が一閃。空がほんの一瞬だけ明るく照らされると。二つに裂かれた泥の塊は落ちることなく空中で燃え尽きた。


エリーゼ「ふぅ…どうも助かりました。今日は結構しぶとくて…」


ハサマ「これくらいなら全然大丈夫だよー(君達本当に人間かな??ん?)」


エリーゼサバトだけなら今は強力な者もいないので倒せば済むんですけどね…。こんな分裂したら大したこともできませんし。やっぱりドレスタニアは居心地いいでしょうかね、エクレアちゃんにとって」


ハサマ「ご機嫌みたいだしいいんじゃないかな」


エクレア『タベタイ』


エリーゼ「ちょうど実験してみたんですが意外と上手くいきましたので食べてみます?」


エリーゼは何かえげつない見た目のドクドクと蠢くススのようなものが入った水晶を取り出した。


エクレアはそれを聞くと高速で食べた。
普段と違い、音を立てて租借した。一瞬、水晶から僅かにかなきり音のような人っぽいシャウトが聞こえた気がした。


ガーナ「そいつは感情を表に出すと突然発火して無駄に面倒な被害を起こすサバトなのだが、私は火でしか戦えんからエリーゼに任せているのです」


いつの間にか屋根を飛び越してきたガーナが解説する。


エリーゼ「ゼリーみたいだし動きも凄く鈍いんですがランダム発生するので…。観測してしまったのも私で…。ですが、私は火の加護もついてますから担当しています。」


うれしそうにブレスレットを見せる。


ハサマ「ナツメちゃんがあげた奴ね。暇になったらだけど手伝おうか?」


ガーナ「それは頼もしい限りです。ちなみに…」


老人「もう少しで手出しそうでしたぜ、旦那…。チュリグを敵に回すのだけは勘弁ですぜ…未だに化け物の違いがわからねぇんで…」


ガーナ「彼もいる。サバトはしっかり連れていてくださると(彼が)助かる…。」


ハサマ「精霊の子か。今度から気をつけるね(真顔)」


今夜の戦いは終わり、一同はガーナの部屋へ向かった。
エリーゼは戦いの汗とエクレアからのダメージ(?)を癒すため、シャワー室に向かった。
エクレアはエリーゼの後に着いていった。


後半に続く。