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PFCS SS劇場!

パラレルファクター カルティベイトサーバーのSSをまとめるブログです。主にツイッターでのやり取りを纏めます!

急患シャムスさま

傾いた陽が差しているドレスタニアの街角をレウコトリカは走り抜ける。


レウコトリカ「帰らないと、兄さん怒る…」


ドンッ。レウコトリカは何かにぶつかって、それを弾き飛ばしてしまったようだ。

そしてよく見るとそれは人だった。


レウコトリカ「わー!お兄さん、だいじょうぶ!?ごめんね!!」


駆け寄り慌てて起こした。


シャムス「……ぅ、てて………」


弾き飛ばされた時に頭をぶつけたらしく後頭部を抑えて呻くシャムス


レウコトリカ「ごめんね!あたまいたい?あたまうったとき、兄さん、動かしちゃダメ、言ってた!」


自分の膝にシャムスの頭を乗せる。


シャムス「いや、多分もう大丈夫……」


ひと通り悶絶し終わったシャムスは膝枕を断ろうとするも、有無を言わさぬ腕力によって膝の上に頭を載せられる。


レウコトリカ「だめだよー!レウの兄さん医者!診てもらう?」


相手の顔を上から覗き込む。


シャムス「……あ、ああ……(顔が近い顔が近い)」


シャムスがグイグイくる相手に戸惑っているうちにどんどん医者に見てもらうことが決定しつつある。


レウコトリカ「レウ、運ぶね!」


シャムスを軽々と持ち上げ、お姫様抱っこしてダッシュ。


シャムス「わっ、!?まっ、ちょ」


軽々と持ち上げられた上に不安定なお姫様抱っこでダッシュされて驚きながら、思わずレウコトリカにしがみつくシャムス


裏通りの紫に塗られた扉の建物の前で急ブレーキをかける。


レウコトリカ「きゅうかん!きゅうかーん!」


手が塞がっているので扉を蹴り開けて中へ叫んだ。


シャムス「…………………………(お姫様抱っこ&ダッシュの振動で酔って何も言えない)」


ちなみにシャムスはレウコトリカにしがみついたままである。


レウカド「レウコトリカ!うちは急患を受け付けていないと何度も…」


煙草を片手に持った男が出迎える。ふたりの姿を見て顔をしかめる。


レウカド「…とくに金を持ってなさそうな“客”はお断りだ」


レウコトリカ「お客じゃないのー!怪我人だもん!」


シャムス「いや、オレはいいって言ったんだが……」


肌の色が黒いため分かりにくいがシャムスは酔ったせいで顔色が悪い。


シャムス「あといい加減下ろしてほしい(お兄さんの視線がヤバイ)」


レウカド「ほら、俺が診るまでもない。元いた場所に戻してこい」


レウコトリカ「ごめんね、おにいさん」


レウコトリカは申し訳なさそうにシャムスを椅子に下ろす。


レウカド「おい」


レウコトリカ「頭診てあげて!」


レウカド「…中をか?専門外だぞ」


レウコトリカ「ちがう!レウ、ぶつかってうったの」


シャムス「……ありがとう」


椅子におろしてもらったシャムスはとりあえずお礼を言った。


シャムス「とりあえず酔い止めと氷嚢だけ貰えるとありがたいんだが……」


微妙に申し訳なさそうな顔をしている。


レウカド「ふん、妹の過失らしいからな。いちおう診てやる」


レウコトリカ「おかねはいらないよー」


一瞬、似ていない兄妹の視線がぶつかり、火花を散らす。兄はシャムスの後頭部に軽く触れた。


レウカド「ただのたんこぶだ」


妹のほうが慌てて氷のはいった袋を持ってくる。


シャムス「うん、まあそんなもんだろうな……ぶつかったのはこちらも不注意だった。すまない」


氷を受け取りつつ、心なしか目が死んでいるシャムス。
お姫様抱っこされているのを大勢に目撃されたことを思い出してげんなりしている。


レウコトリカ「こっちこそごめんね…おにいさん名前、なんて言うの?レウはレウコトリカ!」


その言葉を聞いて、酔い止めを持った兄がシャムスを睨みつける。


レウカド「…俺も後のために知っておきたいな」


シャムス「(めちゃくちゃ睨まれてるし名乗りたくないけど物凄く名乗らないといけない雰囲気だぞぅ!!)」


シャムス「えっと、……シャムスだ。よろしく」


シャムスは若干やけっぱちだ


レウコトリカ「しゃむす!いい名前だね」


レウコトリカはにこやかに返した。医者はシャムスに薬を手渡した。


レウカド「…処方箋に名前を書きたかっただけだ」


それからこちらもにこり…と笑う。


レウカド「二度も処方されないといいけどな…」


シャムス「あ、ああ……そうだな……」


シャムスは薬を受け取る。


(睨んできてる時はおっかなかったけど兄さんの方も美人だなぁ……)とかぼんやり思っているシャムス。


レウカド「さあ、俺がやることはやった俺の気が変わらんうちに出ていってもらおう」


兄のほうは名乗らずに、煙草をふかした。


レウコトリカ「裏通り、危ないから、表出るまで送ってく!」


レウコトリカは張り切って立ち上がる。


レウカド「こら、お前はここにいろ」


シャムス「ああ、ありがとう」


シャムスは兄に例を言うと立ち上がった。


シャムス「裏通りは慣れてるし一人で大丈夫だよ。何より俺を送った後、レウが帰る時一人になってしまうだろ?俺よりはレウの方が強いかもしれないけど、あんまりお兄さんを心配させちゃダメだぞ」


諭すように言うシャムス。


兄はその言葉にめずらしく関心して深く頷いた。


レウカド「そうだぞレウコトリカ、できるだけ明るいうちに帰してやれ」


レウコトリカは意外と素直に言うことを聞き、おとなしくシャムスを見送った。


レウコトリカ「じゃあね、また会えると良いね!シャムス!」


シャムス「ああ、オレはあっちこっちフラフラしてるから。運が良ければまた会うかもな」


そういうとシャムスは立ち去った。