PFCS SS劇場!

パラレルファクター カルティベイトサーバーのSSをまとめるブログです。主にツイッターでのやり取りを纏めます!

ルビネルとドレスタニアの王

自分の服装に不備がないことを確認して、扉をノックする。


ルビネル「ガーナ国王はいらっしゃいますか?」


ガーナ王は確か冷酷非情だったはず。機嫌を損ねないよう、気を付けなきゃ、と気をはりつめるルビネル


ガーナ「何用か?」


寝巻きにスリッパで扉を開く包帯巻きのガーナが出迎える。


ガーナ「おや、君は?現在の国王はショコラだが…」


ルビネル「ひゃぁっ!?」

ビックリして尻餅をつく。慌ててスカートを整える。


ルビネル「あれ?そうなんですか。正式にガーナ王がショコラ様に王位継承したという記述は見当たらなかったのですが(教科書で見た肖像とは偉い違いね……)」


ガーナ「私は譲った気はないのだが、国民の相違によりショコラになったのだ。…我が国は適当でな…。まぁ、真面目な話題ならば、私でよければ答えるが」


ルビネルはお尻についた埃を払いながら立ち上がる。


ルビネル「では、早速。どうも貴国の資料と私の国の資料ではパラレルファクターについての記述が微妙にずれているのです。レポートにする際にそこで相当迷って……。ドレスタニアでのPFの定義とその成り立ちについて教えて頂きたいです」


ガーナの表情が曇り、探るように目を細めて答えた


ガーナ「…君はどこの国の子かね。何故PFを知っている…?」


扉を大きく開き、中へ誘導する。


ガーナ「聞かれては不味い内容だ。その言葉、むやみに使うんじゃない。入りたまえ」


ルビネル「失礼します」


 黒く重苦しい髪の毛を揺らしながら、部屋に足を踏み入れる。


ルビネル「カルマポリス出身です。私の国では昔PFを兵器として運用しようとしていたらしく、他国に比べ貴重な資料が多いのです……誰も見ようとしませんが」


自国の歴史とはいえ語るのは不快だった


ガーナ「あの老人がいた国か。」


ガーナは無言で二人分のコーヒーをいれ、少し考えてから語り出した。


ガーナ「あぁ、PFは遥か過去に封印された、忌まわしい力だ。当時からその力を使っていた国しか知らん筈だし、ドレスタニアでは現在私しか知らない事だ。何故私の事を…?」


ルビネル「ショコラ様の剣です。ドレスタニアで偶然見かけたとき、剣から一瞬ですが強い呪詛を感じました」


 コーヒーをフーフーしながらルビネルは語る。


ルビネル「あの剣は恐らくPF。ならば、一番身近なあなたに聞くのが一番早いと思いまして。彼から直接聞くのは気が引けます…熱ッ!」


マグカップを両手で持ちながら、それでいて真剣な面持ちで話し出す。


ガーナ「…先に訪ねるが、仮にショコラの剣がPFだったとして、君はそれを知ってどうする。無条件で話せる内容ではないが…。何が目的か知らないことには語らないし、場合によっては君をこのまま帰すわけにもいかない。君が踏み込んでいるのは禁忌だ」


鋭い目を逸らさず、逸らさせず語る。


ルビネル「知ることで『ガーナ様がPFを知っている』、という確証が持てます。知らなければ知らないで私が知っていることを貴方にお伝えし、その返答を求めるだけです。そのために、全国でも有数の軍隊を持つ貴方が、どれほどPF について知っているかをお聞きしたいのです。…私の国からPFに関しての資料がエルドランへ流出しました。エルドランの民族宗教であるノア教はPFの軍事利用に非常に積極的なのです」


コーヒーを一気に飲み干す。


ルビネル「敵が本格的に動き出す前にその脅威を知る人に対策して頂きたいです」


ガーナ「なるほど。」


ルビネルの目を観て判断するガーナ。尚も厳しい表情を崩さない。


ガーナ「他言無用だ。君の知っての通り、知られればその国のように悪用されるような内容なのだ。こちらもリスク無しでは語れない。」


少しだけ間を置き、答えた。


ガーナ「あの力は、あの技術はこの世界の物ではないのだ。ショコラもその事は知らないだろう。そちらの国のPFの定義は?」


ルビネル「『妖怪の魂を武器、あるいは人に移植し、肉体制限なしに呪詛を行使する能力、及びその力を持つ人』と定義されています」


 ルビネルはポケットからメモ帳を取り出す。


ルビネル「ただ、起源についてはわかりません。『元々のあった技術』を応用したとしか、記述にないのです」


ガーナ「サバト式のPFを応用したものか…。メモをとるならば、少し暗号化したまえ。そうだな…。順を追って説明するならば、妖怪のルーツに遡る。君の国のPFとは手順が逆なのだ」


窓の方を見る。言葉に詰まるが、やがて観念したようにルビネルに向き直る。


ガーナ「妖怪はそもそも、《PFによって産まれた生物》なのだ。呪詛は力の一部でしかない」


ルビネル「なっ!逆!妖怪がパラレルファクターを作り出したのではなく?!まず始めにPFという存在があり、そこから妖怪が生まれたというのですか!」


 香水を手に塗りつける。すると、ルビネルのポケットに入っていたペンがひとりでに超高速でメモをと暗号化をはじめた。


ガーナ「君は…妖怪か?あまり聞きたくない話かもしれんが…。」


ガーナ「PFとは、他人の魂を使役する術であり、《サバト》と呼ばれる世界の者達がこの世界に君臨する為、《人の身体を乗っとる力》の事を指す。君の国のPFで言えば《本体は妖怪の方》だ。力が身体を乗っとるのだ。君の国のPFが呪詛限定なのは、妖怪にしか特別な力が無いからだろう。しかし、本来のサバトの者はみな超人的な力をもち、求めるものは力ではなく、この世界に存在を定着させる為の優秀な肉体だ。君のその邪教は、何かを復活させようとしているのか?」


ルビネル「邪教の信仰している、古くからエルドランの者に伝えられた創造神ノア…。今回は儀式を模して、神ではなく、さ迷える幼子の魂の集合体を降霊させていたと解明されています」


ガーナ「魂の集合体…レギオンという奴か…実に愚かなことをする。」


目を覆う


ガーナ「疑似PFの対策は、命を断つしか方法はないが、逆に言えばそれだけで解決するだろう。しかし、サバトの者がこの世界に召喚されたなら打つ手はない。肉体を捨てた連中だ、何度でも甦るだろう。奴のように…」


腹部の古傷を抑える。不吉な疼きを感じていた。


ルビネル「ええ。苦戦はしましたが命を絶つことで解決しました。相手にしたPF使いは、体が液体金属という非常に特殊なものでしたが。それにしても……サバトは厄介ですね。元々肉体を持たない以上、実質不死身。呼び出されなくて本当によかったと思っています。……でも、いるんですね。この世界にサバトが」


ガーナ「…老婆心ながら忠告しておこう。特異な者を払ったとき、直ぐに解決したとは思わぬことだ。サバトは遥か過去に、ある妖怪により封印された筈だが、邪教徒なるものがいるとするならば開かれる可能性もある…。いや、既に開いているのかもしれない。用心せねばな」


引き出しから錆びた鍵を取り出す


ガーナ「持っていけ。」


ルビネル「わかりました。肝に命じておきます。確かにPFを量産するような教団です。奴等がサバトの門を開いたとしても、おかしくありません」


 渡された鍵を見てからガーナに問う。


ルビネル「この鍵は、何を開くためのものですか?」


ガーナ「我が国の、サバトとの接触の歴史を知りたいだろう。国立図書館の地下五階は、王族しか知り得ない忌まわしい歴史を封印している。禁忌を犯したあるアスラーンの呪いにより、その鍵でしか入れない」


ルビネル「なるほど。サバトに関してはカルマポリスですら伝わっていません。私の国に伝わるものよりもずっと詳しそうですね……。是非立ち寄らせていただきます」


 大切そうにポケットに入れる。


ルビネル「今日はお忙しい中ありがとうございました」


ガーナ「ルビネル」


呼び止める。


ガーナ「私の勘だが…この国の《災厄》はまだ消えていない。あまり一人で行動しないほうがいい。」


ルビネルの背後に、いつの間にかエリーゼが立っていた。


エリーゼ「元秘書のエリーゼと申します。滞在中は私が見張らせていただきます。無礼ながら護衛の為、ご容赦ください」


ルビネル「エリーゼさん、ありがとうございます」


エリーゼの丁寧にお辞儀をしてからガーナに向き直る。


ルビネル「ご配慮感謝します。それと……、近々カルマポリスによるノア新世界創造教の掃討作戦があります。決行日はひな祭りです。詳しくは追ってお伝えします」


ガーナ「あぁ、わかった。あまり無理をするなよ。」


ふと、思い付いたように語る。


ガーナ「エリーゼはこの国の観光名所を網羅している。私のお勧めは国の中心部にある国立公園だ。我が国はチーズと洋菓子の名所でな、良ければ楽しんでいってくれたまえ」


笑顔で見送るガーナ。


ルビネル「ええ。決行するのは知っていますが私はあくまで一介の研究者に過ぎません。参加はしないのでご安心を」


一気に緊張した顔から学生の顔に戻る。


ルビネル「国立公園!一度いってみたかったんです!お土産にチーズでしょ、洋菓子でしょ!しかも隣にはエリーゼさん、ウフフフ!」


エリーゼ「他にも、伝統工芸品や美術館、オペラ座や植物園がありますよ。商店街の路地は賑わっていますし、スイーツ巡りなんてどうかしら!」


一緒にはしゃぐエリーゼ。出会って数秒で仲良し。


ガーナ「……女性はわからん生き物だ…」


呆気にとられながらルビネルを見送った。

 

 

 

 

 

 


ガーナ「彼女は知りすぎている。」


???「…いつから気づいてたんで?」


ガーナ「門からだ。外のな」


???「なのにわざわざ呼び止めたってことはそれなりの理由があるんでしょうねぇ…。」


ガーナ「貴殿にしか出来ぬことだ。ルビネルがこの国を出るまで《仕事》をしろ」


???「優秀な護衛をつけても尚心配ですかい?あの外交官だけで充分でしょうよ、王の旦那」


ガーナ「…人相手ならば、な。貴殿の仕事は《護衛》ではない。わかるな?」


???「わかりませんねぇ、旦那の口からアレを聞くまでは」


ガーナ「確認したら直ぐに向かえ。わかったな」


小振りの複雑な形をした、貸金庫の王家専用部屋の鍵と、指輪印章の封蝋がされている直筆の手紙を投げ渡した。


???「随分慣れてらっしゃる。冷酷非情…違ぇねぇ」


ガーナ「笑う暇があるなら急げ。急を要する」


???「はいはいわかってますって。命張れって命令にこの人使いの荒さ…。まだまだ現役ですなぁ。ハハハ」