読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

PFCS SS劇場!

パラレルファクター カルティベイトサーバーのSSをまとめるブログです。主にツイッターでのやり取りを纏めます!

チュリグとエルドスト、親交を深める。

チュリグの王ハサマは台風に乗ってエルドストの広い大地へと降り立った。
辺りを見回すと人の気配はほとんどしない。ハサマは悠々と徒歩で歩き出した。台風を偶然観ていた少年、カマルは、台風上陸地点にいるハサマを見て驚いた。


カマル「うわっ、何だあんた…………今、何?飛んできた??」


ハサマ「うんー。飛んできたよー!」

カマル「すげえ……(キラキラした目で見る)
所でここらになんか用でも?特に何もない田舎だけど」


ハサマ「んー旅行?ところで君サムサールでしょ。」


カマル「えっ、あ、うん。さむさーる?って種族らしいぜ。よく知らないけど」


ハサマ「ふーん。(身体の傷を見て)随分困ってるみたいだから使えなくしようか?目。」


カマル「えっ。使えなく??……って、どういうことだ?(なんか怖いなこの人……)」


ハサマ「文字通りの意味だけどそれがどうかしたの?あんま痛くしないし処置もするけど」

カマル「あんまりって事はちょっとは痛いようなことするつもりだったのかよ!?処置って何だ!!?…………別に今はそんなに困ってないから、遠慮しとく……。あんまり物騒な事言うなよにいちゃん。」


ハサマ「んー?そんなに困ってないならいいかー」


先程から指先にパリパリと雷を迸らせていたがやめた


ハサマ「ところでここの統治者的な人知ってる?ちょっと話したいんだけど。」


カマル「とーちしゃ???……聞いた事ないな…………」


ハサマ「んー……ここのまとめ役とかそういうの」


カマル「まとめ役?なら村長の事か??変なことしないなら案内するのは構わねえけど……。ほんとに物騒な事するなよ?
えーっと、ハサマ?だっけ。あっ、そういえば俺の名前言い忘れてたな。俺はカマルって言うんだ!」


ハサマ「大丈夫大丈夫ー何か変なこと言わないならだけど。カマルっていうのかーよろしくね。」


カマル「変な事……?と、とりあえず危ないことしたらにいちゃん連れてった俺が困るんだから、大人しくしといてくれよ?」


ハサマ「わかったー。」


ニコニコと笑っている。


カマル「(本当にわかってんのか……?)……わかったなら別にいいけど……。じゃあ行こうか。村長の家はこっちだぜ」


ハサマの手を掴んで歩き始めるカマル。とことこついてくるハサマ。二人はまもなく村長宅に到着した。


カマル「村長ー!!(ドンドン)なんかお客さん!!!(ドンドンドン)」


カマルがめっちゃドア叩きながら大声で呼ぶ


ハサマ「(お家壊れない?)」


f:id:nagatakatsuki:20170315111532j:image

村長「(ガチャ)うるさいぞカマル。ドアが壊れるだろう。
……で、お客様というのは、……その御仁か。」


村長は少し考えこむような仕草をする。


村長「どうぞ、お入りください」


ハサマ「はいはーい、お邪魔しまーす!」


村長「……カマルは先生のところにでも行ってきなさい」


カマル「はーい」


村長「で、貴方は━━チュリグの国王様ですよね。何故こんな所へ?」


ハサマ「…………あれ、バレてた?あはははは
。友好的な関係築けるといいなと思ってね」


村長「いえ、私は若い頃少々世界を回ったことがありまして、その折にチュリグにもお邪魔したことがあっただけですから。と、失礼。お茶を淹れましょう。」


ハサマ「ん、ありがと。のどかで和む所だねー」


村長「ええ、全くもってのどかです。種族柄警戒心の強い私が最終的にここに落ち着けたのも、こののどかさあってのことですからね」


村長はどこか誇らしげな顔だ。


ハサマ「随分と嬉しそうな顔してるねー。いいねー。とりあえず親交でも深めるー?」

村長「ええ、そうですね。出来ることなら親睦を深めたい所です。が、先程も言いましたが私は少々警戒心が強いものでしてね。……具体的にはどの様な関係をお望みかお聞かせ願いたいのですが。」


ハサマ「?薬草とか送ったり栽培の技術伝えるとかそんな感じかな?」


村長「それではそちらの利が無いですが。……ここで育つ草の中で珍しいものの苗をいくつかそちらに譲りましょう。そちらの国の気候でも育てられるかどうかまでは保証できませんが、これで貸し借りはなしです」


ハサマ「分かったよー。ありがとね。」


村長「いえ……こちらこそ」


なんとか話し合いができてホッとする村長。あくまでも村長風情なので国王相手に内心めちゃくちゃ緊張してたりする。


ハサマ「別にそんな緊張しなくてもいいんだよ?統治者同士であってそこに上下はないからね」


村長「村長と国王じゃ大違いだと思いますが……。それに私は別に統治者でもなんでもありません。ただ村人の話を聞いてああしたらこうしたらと意見を言っていつのまにか村長と呼ばれていただけの者ですから」


ハサマ「ハサマも大体そんな感じだから大丈夫ー」


かなり遠い昔のことでよく覚えていないが嘘ではない


村長「そうですか……。畑でも見て行きますか?というかそれ以外何も無い様な所なんですが」


ハサマ「これから作るか畑増やせばいいんじゃない?行く。」


村長「そんなに大きい村じゃ無いので、あまり畑を増やしても耕せる人手が足りなくなるんですよ。他に何か作ると言っても外の人があまりこない上に住人のほとんどが農民ばかりなので、あまり娯楽に興じる余裕が無いのもここらに何も無い要因ですね」


家から出て畑に向かう


ハサマ「何人か側近でも連れてこようか?村のことを伝えて人を呼び込むという方法もあるが」


さぁどうする?という顔で着いていくハサマ。ほんの少し空気が変わったように感じ取れる。


村長「いえ、そこまでしてもらう訳には……。それに、発展することは喜ばしいですが、それによって人が増えて、今ののどかさが失われてしまうのは少し……と思ってしまう自分もいるのですよ。外から来た方にはつまらなくても私は今のままのここが好きなので」


ハサマ「住めば良さが分かる、ということかそれはそれで面白いな、ははは」

村長「そうですね。……つきました」


畑に到着。
川から用水路が引かれ、土は黒々とした良い畑が広がっている。
育てているのは薬草だけでは無く、野菜などもある様だ。


村長「どれか食べて見ますか?ここは私の畑なので、いくつか取るぶんには構いませんよ」


ハサマ「取って持ち帰って栽培するかな!全部一個ずつね!」


村長「個人用に持って帰るのは構いませんが大規模に栽培して売る様なことはやめてくださいね。私たちの大切な収入源ですから。」


ちょっと釘をさす村長。


ハサマ「あ、そうなの?大体は品種改良とかして売るのはあまりやらないけど、持ち帰りはいいかな。毒草以外は」


村長「毒草ですか……?毒にしかならない様なものはさすがに育てて居ませんが……確か処理の仕方を変えると毒になる草が……どれだったかな、……これか」


村長が一本の草を引き抜いて渡す。


ハサマ「これ普通だとどんな効果があるの?」


村長「少量の葉を茶葉に混ぜて飲めばお通じ改善の便秘薬、これ単体で煎じれば下剤、大量の葉を煮詰めて濃縮したものは下痢と嘔吐、痙攣などの症状が出て最悪死ぬ毒になります。葉っぱを一枚齧った程度なら数日便が緩くなる程度なので毒というほどのものでは無いのですがね」


ハサマ「結構多岐なんだね。これも持ち帰るよ」


村長「同じ効果でも濃度によって結果に差が出ますからね。毒変為薬とも言いますし、その逆もまた然りですね。では根が痛まない様に数種用意しますね。少々お待ちを」


ハサマ「分かったー」待ってる


一本一本土がついた状態で丁寧に布で包まれたものが五つ村長からハサマ王に渡された。


f:id:nagatakatsuki:20170315111559j:image

村長「はい、出来ました。なるべく潰さない様にしてくださいね。あと出来たらすぐ植え替えてやってください」


農家らしく色々と注文が多い。


ハサマ「分かったー!植え替えなかったらどうなるの?」


村長「この状態って結構草にかかるストレスが大きいので、枯れますよ。これは少しの土をつけたまま布で包んだだけですから。さすがに五つも植木鉢渡す訳にもいきませんし」


納得したように頷いていた


ハサマ「分かったーハサマそろそろ帰るねー」


村長「あ、はい。お気をつけて」


ハサマはじゃーねと笑顔で
持ちかえる植物を台風で巻き上げ
そのまま自身も帰っていった。
その光景は多分一生忘れないだろう


村長「台風……あの人そのものが台風みたいなもんだなアレは…………。はーーー、緊張して疲れた……家帰って寝よう……」


あたりは既に夕日で赤く染まっていた