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PFCS SS劇場!

パラレルファクター カルティベイトサーバーのSSをまとめるブログです。主にツイッターでのやり取りを纏めます!

ルビネルとドレスタニアの王

ドレスタニア カルマポリス

自分の服装に不備がないことを確認して、扉をノックする。


ルビネル「ガーナ国王はいらっしゃいますか?」


ガーナ王は確か冷酷非情だったはず。機嫌を損ねないよう、気を付けなきゃ、と気をはりつめるルビネル


ガーナ「何用か?」


寝巻きにスリッパで扉を開く包帯巻きのガーナが出迎える。


ガーナ「おや、君は?現在の国王はショコラだが…」


ルビネル「ひゃぁっ!?」

ビックリして尻餅をつく。慌ててスカートを整える。


ルビネル「あれ?そうなんですか。正式にガーナ王がショコラ様に王位継承したという記述は見当たらなかったのですが(教科書で見た肖像とは偉い違いね……)」


ガーナ「私は譲った気はないのだが、国民の相違によりショコラになったのだ。…我が国は適当でな…。まぁ、真面目な話題ならば、私でよければ答えるが」


ルビネルはお尻についた埃を払いながら立ち上がる。


ルビネル「では、早速。どうも貴国の資料と私の国の資料ではパラレルファクターについての記述が微妙にずれているのです。レポートにする際にそこで相当迷って……。ドレスタニアでのPFの定義とその成り立ちについて教えて頂きたいです」


ガーナの表情が曇り、探るように目を細めて答えた


ガーナ「…君はどこの国の子かね。何故PFを知っている…?」


扉を大きく開き、中へ誘導する。


ガーナ「聞かれては不味い内容だ。その言葉、むやみに使うんじゃない。入りたまえ」


ルビネル「失礼します」


 黒く重苦しい髪の毛を揺らしながら、部屋に足を踏み入れる。


ルビネル「カルマポリス出身です。私の国では昔PFを兵器として運用しようとしていたらしく、他国に比べ貴重な資料が多いのです……誰も見ようとしませんが」


自国の歴史とはいえ語るのは不快だった


ガーナ「あの老人がいた国か。」


ガーナは無言で二人分のコーヒーをいれ、少し考えてから語り出した。


ガーナ「あぁ、PFは遥か過去に封印された、忌まわしい力だ。当時からその力を使っていた国しか知らん筈だし、ドレスタニアでは現在私しか知らない事だ。何故私の事を…?」


ルビネル「ショコラ様の剣です。ドレスタニアで偶然見かけたとき、剣から一瞬ですが強い呪詛を感じました」


 コーヒーをフーフーしながらルビネルは語る。


ルビネル「あの剣は恐らくPF。ならば、一番身近なあなたに聞くのが一番早いと思いまして。彼から直接聞くのは気が引けます…熱ッ!」


マグカップを両手で持ちながら、それでいて真剣な面持ちで話し出す。


ガーナ「…先に訪ねるが、仮にショコラの剣がPFだったとして、君はそれを知ってどうする。無条件で話せる内容ではないが…。何が目的か知らないことには語らないし、場合によっては君をこのまま帰すわけにもいかない。君が踏み込んでいるのは禁忌だ」


鋭い目を逸らさず、逸らさせず語る。


ルビネル「知ることで『ガーナ様がPFを知っている』、という確証が持てます。知らなければ知らないで私が知っていることを貴方にお伝えし、その返答を求めるだけです。そのために、全国でも有数の軍隊を持つ貴方が、どれほどPF について知っているかをお聞きしたいのです。…私の国からPFに関しての資料がエルドランへ流出しました。エルドランの民族宗教であるノア教はPFの軍事利用に非常に積極的なのです」


コーヒーを一気に飲み干す。


ルビネル「敵が本格的に動き出す前にその脅威を知る人に対策して頂きたいです」


ガーナ「なるほど。」


ルビネルの目を観て判断するガーナ。尚も厳しい表情を崩さない。


ガーナ「他言無用だ。君の知っての通り、知られればその国のように悪用されるような内容なのだ。こちらもリスク無しでは語れない。」


少しだけ間を置き、答えた。


ガーナ「あの力は、あの技術はこの世界の物ではないのだ。ショコラもその事は知らないだろう。そちらの国のPFの定義は?」


ルビネル「『妖怪の魂を武器、あるいは人に移植し、肉体制限なしに呪詛を行使する能力、及びその力を持つ人』と定義されています」


 ルビネルはポケットからメモ帳を取り出す。


ルビネル「ただ、起源についてはわかりません。『元々のあった技術』を応用したとしか、記述にないのです」


ガーナ「サバト式のPFを応用したものか…。メモをとるならば、少し暗号化したまえ。そうだな…。順を追って説明するならば、妖怪のルーツに遡る。君の国のPFとは手順が逆なのだ」


窓の方を見る。言葉に詰まるが、やがて観念したようにルビネルに向き直る。


ガーナ「妖怪はそもそも、《PFによって産まれた生物》なのだ。呪詛は力の一部でしかない」


ルビネル「なっ!逆!妖怪がパラレルファクターを作り出したのではなく?!まず始めにPFという存在があり、そこから妖怪が生まれたというのですか!」


 香水を手に塗りつける。すると、ルビネルのポケットに入っていたペンがひとりでに超高速でメモをと暗号化をはじめた。


ガーナ「君は…妖怪か?あまり聞きたくない話かもしれんが…。」


ガーナ「PFとは、他人の魂を使役する術であり、《サバト》と呼ばれる世界の者達がこの世界に君臨する為、《人の身体を乗っとる力》の事を指す。君の国のPFで言えば《本体は妖怪の方》だ。力が身体を乗っとるのだ。君の国のPFが呪詛限定なのは、妖怪にしか特別な力が無いからだろう。しかし、本来のサバトの者はみな超人的な力をもち、求めるものは力ではなく、この世界に存在を定着させる為の優秀な肉体だ。君のその邪教は、何かを復活させようとしているのか?」


ルビネル「邪教の信仰している、古くからエルドランの者に伝えられた創造神ノア…。今回は儀式を模して、神ではなく、さ迷える幼子の魂の集合体を降霊させていたと解明されています」


ガーナ「魂の集合体…レギオンという奴か…実に愚かなことをする。」


目を覆う


ガーナ「疑似PFの対策は、命を断つしか方法はないが、逆に言えばそれだけで解決するだろう。しかし、サバトの者がこの世界に召喚されたなら打つ手はない。肉体を捨てた連中だ、何度でも甦るだろう。奴のように…」


腹部の古傷を抑える。不吉な疼きを感じていた。


ルビネル「ええ。苦戦はしましたが命を絶つことで解決しました。相手にしたPF使いは、体が液体金属という非常に特殊なものでしたが。それにしても……サバトは厄介ですね。元々肉体を持たない以上、実質不死身。呼び出されなくて本当によかったと思っています。……でも、いるんですね。この世界にサバトが」


ガーナ「…老婆心ながら忠告しておこう。特異な者を払ったとき、直ぐに解決したとは思わぬことだ。サバトは遥か過去に、ある妖怪により封印された筈だが、邪教徒なるものがいるとするならば開かれる可能性もある…。いや、既に開いているのかもしれない。用心せねばな」


引き出しから錆びた鍵を取り出す


ガーナ「持っていけ。」


ルビネル「わかりました。肝に命じておきます。確かにPFを量産するような教団です。奴等がサバトの門を開いたとしても、おかしくありません」


 渡された鍵を見てからガーナに問う。


ルビネル「この鍵は、何を開くためのものですか?」


ガーナ「我が国の、サバトとの接触の歴史を知りたいだろう。国立図書館の地下五階は、王族しか知り得ない忌まわしい歴史を封印している。禁忌を犯したあるアスラーンの呪いにより、その鍵でしか入れない」


ルビネル「なるほど。サバトに関してはカルマポリスですら伝わっていません。私の国に伝わるものよりもずっと詳しそうですね……。是非立ち寄らせていただきます」


 大切そうにポケットに入れる。


ルビネル「今日はお忙しい中ありがとうございました」


ガーナ「ルビネル」


呼び止める。


ガーナ「私の勘だが…この国の《災厄》はまだ消えていない。あまり一人で行動しないほうがいい。」


ルビネルの背後に、いつの間にかエリーゼが立っていた。


エリーゼ「元秘書のエリーゼと申します。滞在中は私が見張らせていただきます。無礼ながら護衛の為、ご容赦ください」


ルビネル「エリーゼさん、ありがとうございます」


エリーゼの丁寧にお辞儀をしてからガーナに向き直る。


ルビネル「ご配慮感謝します。それと……、近々カルマポリスによるノア新世界創造教の掃討作戦があります。決行日はひな祭りです。詳しくは追ってお伝えします」


ガーナ「あぁ、わかった。あまり無理をするなよ。」


ふと、思い付いたように語る。


ガーナ「エリーゼはこの国の観光名所を網羅している。私のお勧めは国の中心部にある国立公園だ。我が国はチーズと洋菓子の名所でな、良ければ楽しんでいってくれたまえ」


笑顔で見送るガーナ。


ルビネル「ええ。決行するのは知っていますが私はあくまで一介の研究者に過ぎません。参加はしないのでご安心を」


一気に緊張した顔から学生の顔に戻る。


ルビネル「国立公園!一度いってみたかったんです!お土産にチーズでしょ、洋菓子でしょ!しかも隣にはエリーゼさん、ウフフフ!」


エリーゼ「他にも、伝統工芸品や美術館、オペラ座や植物園がありますよ。商店街の路地は賑わっていますし、スイーツ巡りなんてどうかしら!」


一緒にはしゃぐエリーゼ。出会って数秒で仲良し。


ガーナ「……女性はわからん生き物だ…」


呆気にとられながらルビネルを見送った。

 

 

 

 

 

 


ガーナ「彼女は知りすぎている。」


???「…いつから気づいてたんで?」


ガーナ「門からだ。外のな」


???「なのにわざわざ呼び止めたってことはそれなりの理由があるんでしょうねぇ…。」


ガーナ「貴殿にしか出来ぬことだ。ルビネルがこの国を出るまで《仕事》をしろ」


???「優秀な護衛をつけても尚心配ですかい?あの外交官だけで充分でしょうよ、王の旦那」


ガーナ「…人相手ならば、な。貴殿の仕事は《護衛》ではない。わかるな?」


???「わかりませんねぇ、旦那の口からアレを聞くまでは」


ガーナ「確認したら直ぐに向かえ。わかったな」


小振りの複雑な形をした、貸金庫の王家専用部屋の鍵と、指輪印章の封蝋がされている直筆の手紙を投げ渡した。


???「随分慣れてらっしゃる。冷酷非情…違ぇねぇ」


ガーナ「笑う暇があるなら急げ。急を要する」


???「はいはいわかってますって。命張れって命令にこの人使いの荒さ…。まだまだ現役ですなぁ。ハハハ」

ナツメからのプレゼント

ドレスタニア チュリグ

エリーゼ「今日は潮風が穏やかですね。のびのびすごせる気がします」


交易の監査が終わったエリーゼは船着き場を散歩していた。気づけば、後ろから視線を感じる。


エリーゼ「あら?この柔らかくて可愛らしい視線はもしかして」


頬に手を当てて振り向く。エリーゼは自然で育ったため気配がある程度読み取れる。
そこには、ちょっとビクッてなってる赤面したナツメがいた。


エリーゼ「ナツメさん!来てくださったのですね!ようこそドレスタニアへ!」


スカートの端を持ってお辞儀する。流れるような挨拶のあと、ニコッと微笑んだ


ナツメ「えっと、お邪魔します。」


どう見ても緊張で慌てている。


「慣れない土地ですものね、でも、良いところなのよ」


優しく手を差しのべる。

 
エリーゼ「お一人ですか?」


ナツメ「一人、です。」


手を取る


エリーゼ「あら!ネックレス、つけてくれてるのですね!嬉しい!」


とても無邪気に、嬉しそうに跳ねる。女子のモーションである


エリーゼ「やっぱり、深紅の似あう綺麗な髪ね。もし観光されるのでしたら、私に案内させてもらえませんか?」


ナツメ「あ、えっとお願いします」


エリーゼ「光栄です、ナツメ様♪」


胸に手を当ててドレスタニア流のおじぎする。顔はとても嬉しそうだ。


エリーゼ「何か、行きたいところなどあるかしら?」


ナツメ「服屋さんでお願いします」


エリーゼ「かしこまりました!実は貴女にぴったりのお店があるのです!」


丁寧にエスコートしながらお店についた。ドレスから伝統衣装まで、とてもエレガントに並んだお店である。ちなみに値札はない。二人が入ると、客の貴族たちは二人の美しさに口を開いたまま棒立ちしている。
ナツメはキョロキョロと忙しなく周りの服を見回している。


エリーゼ「綺麗でしょう?なんでも手にとって、試着してみていいんですよ」


ナツメに合いそうな、堅すぎないデザインの服も立ち並んでいる。ちょうど、ゴシックデザインの含まれたナツメの服のようなものまで。ナツメは少し考えると、暗めの赤を基調としたゴスロリ服を手に取る。それを試着せずに買った。


おばさんA「(なるほど、白く美しい肌と金色の髪が活かされる、シンプルでレベルの高いセンスですのね…)」


おばさんB「(エレガントですわ…どこの国のお嬢様なのかしら…)」


エリーゼ「お気に召しましたか?」


ニッコリして、気づかないように請求書を王宮に回す。
ナツメは無言で頷きまくっている。


エリーゼ「良かったです!ここのブランドは、私がまだ若かった頃にお世話になっていた所で、とても思い入れがあるのです。大切な人にこそ着てほしいの」


少し物思いに耽った顔をして、すぐに笑顔になる。


エリーゼ「そうだ、お腹空いておりませんか?我が国自慢のスイーツ巡りはいかがでしょうか!」


ナツメ「行く」


ほぼ即答。そして何故か赤面のナツメ。
その後二人は、スイーツ巡り、植物園、工芸品を見たり、休憩に喫茶店に入ったりと、ドレスタニアの名所をいっぱい堪能した。
気づけば夕方の良い時間。


ナツメ「えっと、今日はありがとうございました」


エリーゼに赤紫の小箱を恥ずかしそうに渡す。
何かよければおつきあいじゃなくて結婚嫌えっとえっと、と赤面しながら色々なことを口走っちゃっている。


エリーゼ「はい、なんでしょう…?私に?」

箱を開けると、エリーゼは目を大きく開いて、その贈り物に心を奪われた。非常に綺麗で、しばらく時を忘れたかのように見つめた。

エリーゼ「なんて綺麗…」


加護付きの赤いブレスレット。マーガレットを模した金具が付けられた。光沢の美しいプラチナの素材でできている。


エリーゼ「これを、私に…?……嬉しい」


言葉にできない喜びのままに、ブレスレットを左手首につける


エリーゼ「に、似合いますでしょうか」


赤い顔で、嬉しさのあまり右手で頬を抑えながらナツメにつけたところを見てもらう。ナツメは無言で頷きまくる。高速である。


エリーゼ「なんて言ったらいいか…。こんな素敵なプレゼントを、ありがとうございます…!宝物ににしますね、ナツメさん…!!」


両手をとってお礼を言う。本当に無邪気で、少女のようである。ナツメは嬉しすぎたのか頭上から蒸気が噴き出していた。


ナツメ「どういたしましてエリーゼさん」(片言)

 
エリーゼ「今日は楽しい一日でした。また会える日を楽しみに…今日の事は、私たちだけの秘密です!」


エリーゼは、ナツメが船に乗るところを見守った。
ナツメも、エリーゼが見えなくなるまでずっと手を振っていた。

傭兵ウェドとクロマ

パッチング チュリグ


パッチングの傭兵、ウェドは一人素振りをしていた。傭兵として当然の訓練である。


ウェド「…そこにだれかいるのか」


ウェドは修行の途中、誰かがいるのに気づいた。


クロマ「どーもー、観光客です。」


クロマ出てくるが複数の気配が


ウェド「観光客、か。珍しいな。この国はまだ発展途上…。…外にも数名観光客が居るようだな」


クロマ「飼ってる子達だけどそれが何か?」


ウェド「飼ってる…?なにをだ」


ウェドは疑問に思っている。気配が有るのに見えない。


クロマ「魔物」


ウェド「魔物…!?おい、オレはなるべく魔物に手を向けたくない。だから魔物は別の場所に避難させておけ。オレは今訓練中だからな」


クロマ「はいよ」


魔物ごとどっか遠くに行こうとする


ウェド「おい、お前ごと離れるんじゃない。オレはただ忠告しただけだ。…名を名乗っていなかったな。オレはウェド=グレン。ウェドでもグレンでも勝手に呼んでくれ」


訓練中だから、と遠くからクロマが言う


ウェド「…ああ、そういうことか。オレの訓練はただの素振りだ 見ていて楽しいか?」


上空から「うん」と聞こえる


ウェド「…楽しいか。そしてお前、なぜ上空に居る?…オレはいつか傭兵から出世して王兵になるんだ。だから素振りをしている」


フッ、と何回か木製の剣で空中を切る。実力は確かだ


クロマ「地上よりは安全だからね」


ウェド「ま、確かに地上よりは安全だな。オレも人間以外に転生したかったぜ。もっとも前世はなんかの…なんとかニンゲンだったようだが」


ウェドは言葉をつまらせた。前世の記憶が一部欠けていた


クロマ「私は人間だけど?君も欠けているようだね」


ウェド 「…ん、人間だったのか。…そうなんだよな。何かが欠けている、思い出せない。奴隷人間とかなら嫌なんだがな」


クロマ「さてはて、何故過去形なのだろうか。私は今も人間だし前世の記憶はないんだけど。改造人間とか?」


ウェド「改造人間?ハハ、オレの前世が改造人間やアルファなわけねーだろ。アルファ…?」


ウェドの前世の世界には、アルファによく似た種族があったはずだ。だが思い出せない。


クロマ「何か思い当たる節でもあるの?」


ウェド「…ダメだ…思い出すと頭が痛い。英語三文字だった気がするんだがな。改造…なんとか、人間の略称だ」


ウェドの前世にはアルファによく似た「改造XX人間」というものが存在していた。どれほど前の話だろうか


クロマ「ふーん。まあ私には分からないから自分で考え続けたら?」


ウェド「…考えようとすると頭がいたいんだ。まあ、いい。オレの前世は改造人間ではなさそうだしな。それよりも、今を生きるのさ 前世はたしかパッチングに幾つか別れた国の王でなんとか人間なことは覚えている」


クロマ「前世を振り払うのもそれはそれでいいんじゃないかな?」


ウェド「今は一般人として転生したから前世を振り払って生きているさ。前世に引っ張られていたら生きていけない。金髪召使のあいつみたいにな」


クロマ「そのあいつというのは誰だか分かる?」


ウェド「ツカイっていう名前だったな。」


クロマ「ありがとね、気をつけておくよ」


ウェド「おう、気をつけな。あいつは過去に引っ張られすぎて輪廻転生を崩そうとしているからな。お前も巻き込まれるかもしれねぇ、もっとも輪廻転生はパッチングだけでしか起きねえけどな」


クロマ「なら早めに去っておくよ。じゃあね。」


巨大な黒竜に乗り去って行った


ウェド「…あれが魔物か。全く見えなかったな。気をつけなよ、嬢ちゃん」


ウェドは去っていく少女に、大声で言った。


クロマ「他の国民にも伝えとくね!!」


ウェド「ああ、よろしく頼む!」


ウェドは去っていく少女を、ただ見つめていた。

ショコラ探し

チュリグ ドレスタニア

ハサマは外出が解禁されたので、いつも通り台風でドレスタニアに降り立った。
町外れを散策中である。


メリッサ「あーん!ショコラ様、ショコラ様ぁー!!」


けたたましい声が聞こえてきた。猛獣の熊が気絶している。ハサマは熊が何の外傷もなく気絶してるのが気になったのかちょっと覗いてみる


メリッサ「「「ショコラ様ぁどこですかぁ!」」」


壁にヒビが入るほどの大音量で泣きわめくメイドがひとり。


ハサマ「(あれはショコラ君のところのメイドさんかあ)」


何者かが分かった途端納得したように一人頷いている


メリッサ「あーん!!…あ!そこの方!この辺りでショコラ様をお見かけしませんでしたでしょうか!!」


目があった。ポケモンの草むらのトレーナーの如く、半強制的に近づいてくる。


ハサマ「見なかったけど一緒に探すー?」


平常運転なハサマ王である


メリッサ「お願いできますか!ありがとうございます!!チュリグの王様に会いに行く為に準備しておりましたら、いつの間にかいなくなっておりました…。こんなところ、チュリグの王様に見られたら私たち、ガーナ様になんといわれるか…」


涙をぬぐうメリッサ。


ハサマ「………ハサマそのチュリグの王様なんだけどねー。まあいいかー、早く探そー。」


メリッサ「あ!ショコラ様の特徴をいい忘れておりましたね!えっと、物凄くイケメンで美しすぎる髪の毛に、目元はキュートで唇はセクシーで、みみたぶが柔らかいのがショコラ様です!!よろしくお願いします!!」


ペッコリとお辞儀する。


美化されすぎた特徴については主人思いのメイドさんだねと片付けて探しに向かった。ガーナ元国王からある程度容姿を聞かされたことがあるのでそれを頼りに。


メリッサ「それでは、まずはいつも通り《ベリエラ海峡》から捜したいと思います!!海を渡ってしまったかもしれないので!」


二人乗りのカヌーを海に流し、オールをもってドヤ顔をする。ちなみにベリエラまでの海の距離は日本から中国位の距離。ハサマはなるべく早く見つけたいので能力で限界まで加速させた。このときの表情は海を渡ったと聞いたからか真顔である


メリッサ「きゃあぁー!速いです!まるでショコラ様みたい!!」


はしゃぐメリッサ。到着してすぐ鬼の海賊たちに情報を聞くと、ショコラという名前だけですぐ反応した。


夢霆「あぁ!今さっき俺らの干し肉を全部食べちまったんだ!!追うっつってもあいつに追い付ける船がねぇ!」


ハサマはメリッサを台風に巻き込んで追った


メリッサ「きゃー!!いつもなら海賊の大砲で飛んでいくんですけどこっちの方が速くて素敵です!!」


はしゃぐメリッサ。


メリッサ「ベリエラにもいないとするとラビリンスで休憩している可能性が高いです!」


そのままラビリンスに最高速度で向かった。
この王も完全にうさぽん目当てである


メリッサ「うさぽん、かわいいですよね!もちもちでショコラ様のほっぺたみたい…」


つくと同時に数匹のうさぽんに囲まれてフカフカする二人。


メリッサ「眠くなってきました…お昼寝タイムですね…」


二秒で熟睡し始めるメリッサ。ハサマも割と疲れたので十分ほど休憩(もふもふ)した。


メリッサ「…はっ!?いけません!寝てしまいました!!ショコラ様を探さないと!!」


一羽の伝書鳩がメリッサの元へ。


メリッサ「あ、エリーゼ様の言伝てです。えーと、何々…」


「パッチングにてショコラ捕獲。至急城へ帰られたし。」


メリッサ「はわわ…!先を越されてしまいました…」


ハサマはメリッサごと台風で城まで直接行った


ガーナ「ほわっ!ハサマ様…!?な、なぜメリッサと…」


メリッサ「この方にショコラ様の捜索を手伝っていただきました!風にのってとっても速いんですよ!いい人です!!」


ガーナ「……申し訳ない。なんというか、大変申し訳ない。さぞお疲れでしょう……。」


ハサマ「うん、割と疲れた。」


目の死んだ真顔である


ガーナ「メリッサ……このお方が……チュリグの王様なのだ……お前って奴は……」


メリッサ「…へ?」


エリーゼ「嘘でしょう貴女…嘘でしょう…あぁ…」


ガーナは頭を抱え、エリーゼは力なくふらついた。


メリッサ「み、皆様どうしたのでしょうハサマさん…?」

 

ハサマは既に疲れが限界にまで達したのか壁にもたれかかる形で気絶していた。
すると、空間に亀裂が入り、観測者が現れてハサマを空間の中へズルズルと引きずり込む。
ガーナとエリーゼはその光景に驚愕していたが、興味津々で亀裂についていこうとするメリッサを抑えることの方が先決であった。


~~~


その後チュリグへドレスタニアから最上級のお菓子がとても沢山とどけられた。
ハサマは疲れの限界で一日寝込んでいたという。
ちなみにあの日、ショコラはガーナに王室まで呼ばれていたが、偶然大食堂に出てご飯を食べていたのであった…。

クレインが不能になった理由

チュリグ アンティノメル

クレイン「…ちょっと…そこの少年?何に怒ってるのかよ??」


クレインは目の前の中性的な人物に恐る恐る話しかける。


「………………か」


言葉がよく聞き取れない


クレイン「ひっ!?」


クレインは本能的に目の前の人物に恐がる。後ろにはクレインの持っていた麻薬。たぶんこれが原因なのか?とクレインは思った。


クレイン「何があったんだ!い、いっとくけど俺は精霊の中の精霊で…!」


ハサマ「……………お前か、グリムに私の幻覚を見せたのは……!」


尋常ではない力で頭を掴まれ凝視される。その顔は鬼気迫っていた。


クレイン「うひぃっ!そうだ!俺があの少女に、あの少女がよく知るあなたの幻覚を見せた!幻聴も聞かせた!失敗したがな!ハハ…ハ…ハ…」


クレインは必死で笑顔を見せたが、それもすぐに消えた。クレインはグリムの記憶からハサマの幻覚を作ったが、これは大失敗と思っている


ハサマ「そうかそうか人違いでなくて良かったなあははははは」


口元こそ笑っているがそれ以外は笑っていない。狂気染みている。


クレイン「ひぃぃいっ!!落ち着いてくれ…!狂ってる!おまえは狂ってる!!」


クレインは必死でその人をおさめようとするものの、その人は聞く由もなかった。クレインは必死で目の前の人物に狂っている、と連呼する


ハサマ「嗚呼狂っていて結構結構!今更そんなもの私には効かないからな!」


全く意に介していない周囲に落雷が発生し、二人を残して皆焼け焦げてしまった。クレインはその雷を見て、その人物を見て、本当に恐ろしいと思った。生まれて初めて恐ろしいと本気で思った。


クレイン「た、助けてくれ!助けてくれぇええ!!」


クレインはへたれた声を出して逃げ出した。クレインは必死で逃げ出したのだ。足を速くしながらクレインは逃げ続ける。


ハサマはゆっくりと確実に追ってきている。


クレイン「ひっ、ひぃい…」


クレインは逃げ惑ううちに、体力がつきかける。なんとかハサマに向かい幻覚を何度も使う。「地面が割れる幻覚」や「クレインが息をあげている幻覚」などだ。


ハサマ「……そんなものが、通じるとでも?」


雷の轟音を大音量で響かせることによってハサマは幻覚を解除させていた。


クレイン「うわああっ!!」


幻覚がきかない相手はさっきの少女とハサマが初めてだった。クレインは幻覚を雷の轟音で解除されるなど思ってもいなかった。


クレイン「お前も精霊だろ!?俺の仲間になれよ!」


クレインはハサマが雷などを起こすことから、「空」を信仰する精霊だと考えた。


ハサマ「あはははははははははははははは随分と面白い冗談だな私は精霊ではないのだが」


棒読み気味の哄笑で振り払う。その様子を周りのギャング精霊達が見かけますが、何者かを知っていたため皆蜘蛛の子を散らすように一目散に逃げてしまった。


クレイン「精霊じゃなければなんなんだ君は!あ、おい子分たち!こいつの正体を知ってるんだよな!?逃げるなぁあああ!!」


クレインは必死で子分を追いかけ、『ハサマから一定以上逃げた』。瞬間、突如ハサマの前に異空間が現れ、気づけばハサマはクレインの目の前にいた。
クレインは声が出せなかった。もうクレインは、へた、と倒れてしまう。


クレイン「…おまえは何そんなに怒ってるんだ…ただ幻覚を作っただけじゃないか…」


なんとか声を絞り、そう言った。
ハサマは無言で尋常ではない力を持ってクレインを掴み上げる


クレイン「ひっ!人間でもないな!まさか妖怪だな!しかもアルビダ!!や…やめろ!俺に何をするんだ!やめろ!」


幻痛を試みるも、通用していないようだ。
雷を纏った強烈な蹴りが見舞われた。


(蹴りの当たった箇所はあえて伏せる)


原形をとどめないほどに破壊され激痛を感じ、クレインは意識を失う。

 


クレイン「………ハッ…。お、俺は…チッ、また独房かよ…!ってぇ…あいつはどこに行きやがった…??イデェッッ!!」


クレインは必死で起き上がり、独房からまた抜け出そうと計画した。しかし、ハサマに会うことを考えると当分出たくなかったほどトラウマが植え付けられた。


こうしてクレインは、アルビダ恐怖症になったのである。

ヴォエジルとメイム

ヴォエジル「…ふー。訓練も楽じゃねぇ。」


ヴォエジルはスコーン皇帝の元、城の庭で練習をしていた。剣をもっと上手く扱えないのか、剣で落ちてくる葉っぱを切れないか。そうしているうちに、誰かの気配に気づく。
見ると一人の幼女がこちらを見ていた。どこか不気味である


ヴォエジル「…ガキよ、どうしてこんな場所に入れたんだァ?」(なんでこんな場所に来れたんだ?)


メイム「適当にふらついてたらここに辿り着いた」


警備の類は目撃すら偶然していない。


ヴォエジル「…へぇ。俺はヴォエジルってんだ。変な名前だろ?テメェはなんて名前だ?」


ヴォエジルは奇妙にメイムを思いながら問いかけた。


メイム「メイム」


ヴォエジル「メイム。ここはスコーン皇帝の城だ。それに俺は訓練中だぜ?落ちてくる葉っぱを心を研ぎ澄ませて切る練習だ。危ねぇぞ?」


ヴォエジルは木とメイムを見つめながらそう言った。


無言で木から離れて見ている


ヴォエジル「…っと。まあ離れてくれたのは有難いな。……」


ヴォエジルは息を整え、集中する。


ヴォエジル「はっ!」


…葉っぱは中途半端に切れた。く、まだまだか。と呟いた。


ただ無言で見ている


ヴォエジル「…見られてると緊張すんな…」


ヴォエジルは気が散るので、葉っぱの訓練を一時中止する。


ヴォエジル「なあ。メイム。お前は俺の前世がスコーン皇帝に刃向かった奴だと言ったら信じるか?」


メイム「特に証拠もないから信じる」


ヴォエジル「あんがとよ。俺は前世、なんかほかの奴らと戦争してた記憶があるんだよな。ま、俺は…前世何やったかは記憶に残ってねぇけどな。」


ヴォエジルの欠けた記憶は『悪役としての活動』である。


メイム「ふーん」


ヴォエジル「ふーんじゃねぇだろ。この国は必ず記憶が欠ける。ま、俺の場合は知らない方が幸せな記憶だろうよ。おっと。おやつにレーションがあるぜ。少しまずいが…チョコレートだ」


メイム「うん知ってる」


メイムは事前に用意していたチョコを食べている。


ヴォエジル 「おいっ!事前にチョコ用意すんなよ!俺がせっかくあげようと思ったのによ…。…仕方ねぇな。美味しいチョコレート食うか?」


ヴォエジルは隠し持っていた美味しいほうのチョコレートを用意した。レーションではなく市販品である
…しかしメイムはいつの間にかレーションを食べている。


ヴォエジル 「………。」


ヴォエジルはただ見つめていた。色々と呆れているようにも見える。


ヴォエジル「おめー不思議な少女だな。出身国は?」


メイム「チュリグ」


ヴォエジル「ほう!チュリグからここに来たのか!度胸あんな。パッチングはまだ発展途上国だが、色々とよろしく頼むぜ。しかし俺、最近来たからな。まだ覚えている国はすくねぇ。チュリグやドレスタニア、アンティノメルにライスランドだろ?えっと…。んー。まあ、俺も転生したばかりだしよ、まだまだ覚えてねぇな。」


メイム「これから覚えればいいんじゃないの」


ヴォエジル「そうだな。まだ互いの国の国王もなかなか覚えられてねぇが、今から覚える。俺は今お前、メイムを覚えた。他国の人は歓迎するぜ。」


手を差し出す。握手のポーズだ。メイムは無言で握手し返す


ヴォエジル 「…他国との交流も楽しいもんだな。俺は前世では孤独だったから斬新だ」


ヴォエジルはしっかりと握手したのを確認すると、ゆっくりと離した。メイムは一通り何かを把握したようだ


ヴォエジル「…どうした、メイム?」


ヴォエジルはメイムの顔を見て尋ねた。ヴォエジルは前世でのトゲトゲしさ無くメイムに話しかける


メイム「いつものことだからあまり気にしなくていいと思う」


ヴォエジル「そうなのか。ま、俺は色々とあってよ、今はこの生活でよかったと思うぜ。1人だけ強くても孤独なだけだ。」


ヴォエジルは持っていた剣を起き、木のイスに座り話しかける。


メイム「ふーん」


目に光は灯らないが納得して何かに気づいたようだ


ヴォエジル「…どうした?具合でも悪いか?」


ヴォエジルは何かに気づいたメイムに、気を使った。椅子の座り方がぶっきらぼうだ。


「具合は悪くない」


ヴォエジル「そうか。…よし。訓練でも開始するかな。ウェドのやつもやってる素振り。…メイム。俺からちっと離れな。俺の実力は大きいぞ」


かなり離れた


ヴォエジル「…はぁあっ!!」


ヴォエジルの素振りは風を切り、衝撃波のように強い風圧が放たれた。


ヴォエジル「ふぅ。前世はもっと力があったんだがな。」


この素振りは疲れるらしく、少し額に汗をかいている。葉は綺麗に斬れた


ヴォエジル 「おっ!葉っぱが綺麗に切れた!集中したからな」


ヴォエジルの顔は笑顔でいっぱいだ。普段はクールぶってるが、本当は優しいのが彼である。


メイム「よかったね」と無表情でメイムは褒めた


ヴォエジル「へへ。良かったぜ」


ヴォエジルは笑顔のままだ。


ヴォエジル「っと。すまんな。昼飯を食いに行かなきゃいかねぇ。そうだな。メイム。お前を知り合いって言って城の外まで案内してやろうか?」


メイム「よろしく」


ヴォエジル「おう」


ヴォエジルはメイムを連れて城の出入り口までやって来た。兵士にはこいつは俺の知り合いだ、とごまかした。


ヴォエジル「気をつけて帰れよ、メイム」


ヴォエジルは少しぶっきらぼうにそう言った。


メイム「はいよ、じゃあね」


メイムはチュリグに帰って行った。

出会い スコーンとハサマ

~まだ発展途上の国パッチング。そこに大型台風が発生した。


スコーン「台風!?俺の国では珍しいなぁ、もっともこれが初観測だけどさ。」


中に人影のようなものが見える


スコーン「おっとと、人でも巻き込まれているのか?大丈夫か―!?」


ハサマ「ハサマが起こしてるから大丈夫!」


スコーン「ハサマ…?」


スコーン「あ、台風の中にいるあなたがハサマっていうのかい!?君は変わった能力を持っているんだね」


スコーンは興味津々である。


ハサマ「よく言われるよ!」


スコーン「ところで、俺が近くにいるし、この場所まだまだ開拓中だから台風止めてくれないかな…?危ないよ」


ハサマ「分かった!」


ハサマは台風を消して着地する。


スコーン「…男の子?女の子?どっち?俺はスコーン・ビスケット。このパッチングって勝手に呼ばれてる国の、勝手に帝王にされた青年だ!」


ハサマ「どっちでもないよ!」


ハサマ「ハサマだよ、チュリグの王様やってるよよろしくねー」


スコーン「どっちでもない!?無性別なのか!?ハサマはチュリグっていう場所の王様をしているのか?…チュリグってどこだろう?ああ、ごめん。俺は『召喚』されたばかりで、最近のこの場所の記録がわからないんだ」


ハサマ「うん無性。今度案内しようか?」


スコーン「案内、ぜひ頼むよ!俺はこの世界の歴史に詳しくない。パッチングも、いつか人が増えると思う。とりあえず、俺は次のパッチングに来る人の準備中だけど…」


ハサマ「適当に支援でもする?」


スコーン「支援?なにをするんだい?」


ハサマ「薬草とか薬送ったりとかかな?」


スコーン「薬草や薬!ぜひ歓迎するよ!俺の国はまだまだ開拓途中だからね。この国は独特すぎて、いつ住民が来るかわからないから。」


ハサマ「早めに送っとくねー」


台風起こして去って行った